韓国の在留外国人が急増、市民の間で不安広がる 犯罪増加など懸念

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◆犯罪率の上昇を恐れる韓国人たち
 しかし増加する外国人移住者をよく思わない韓国人も増えていることが、あるアンケート調査で判明した。京郷新聞はソウル大学や韓国女性家族部らによる調査結果を引用し、「在留外国人が犯罪率を高める」と考える割合が2003年の33.1%から46.6%(2015年)に増加したと報じた。このほか、「韓国人の雇用を奪う」「財政負担を重くしている」などの否定的な回答が軒並み増加したのだ。

 実際、外国人犯罪率はここ数年で急増している。韓国法務部や刑事政策研究院の調査によると、外国人犯罪件数は2012年で約2万3000件だったが2016年には約4万1000件とほぼ倍増。特に殺人、強盗、性的暴行などの凶悪犯罪が2005年から2014年までの10年間で5倍以上増えている。国籍別では100万以上が在留する中国人による犯罪件数が全体の61.3%と最も多かった。

 外国人移住者に対して排外的な意見が多く存在している。在外同胞財団が行ったアンケート調査では、「外国人労働者は同じ韓国人として受け入れがたい」とする回答が6割を超え、前回調査時よりも増加した。一方で「(外国人労働者は)同じメンバーだ」とする回答は減少してしまった。

 ただ、外国人の移住に対する意見はその出身国によって変わるようだ。アサン政策研究院の2015年の世論調査によると、アメリカ人やフランス人の移民に対しては肯定的な一方、日本人、ナイジェリア人、中国人の移民について否定的であるという(京郷新聞)。

◆東アジア屈指の多文化国家に向けて
 市民の憩いの場として慕われるソウル市の光化門広場には多くの観光客が訪れる。前朴槿恵(パククネ)大統領の退陣をめぐって「ろうそくデモ」が行われたこの場所で、外国人を見つけることはそう難しいことではなくなった。ただその外見からは就労資格を持つ労働者なのか、留学生なのか、それとも結婚移住者なのかを判断することは困難だ。果たして、彼らを同じ社会のメンバーの一員として快く受け入れられる日はいつになるだろうか。

Text by 古久澤直樹