ロシアのオリンピック復帰が承認 ドーピング違反の不祥事を経て

Jae C. Hong / AP Photo

 平昌冬季オリンピック中のドーピング検査では、個人資格で出場したロシアの選手2人が陽性反応を示したものの、ロシアの五輪出場停止処分が2月28日に解除となった。

 ウラジーミル・プーチン大統領は、クレムリン大統領府で開催されたオリンピック出場選手への授賞式で、この決定を歓迎し、「私たちはこのページをめくり去る必要がある」と述べた。

 そして、「我々は、自身に関わる問題にはきちんと結論を出す必要があるが、同時に、国際機関も、いずれは、スポーツと無関係な問題は、それと切り離して取り扱わなければならないことを理解するよう望む」と言い足した。

                                                                                                                 

 国際オリンピック委員会(IOC)のこの裁定は、2014年のソチ・オリンピックを汚したロシアの組織ぐるみのドーピング問題に対しけじめをつけようとする試みのように見える。

 IOCは今月初め、ソチ・オリンピックに参加して、ドーピング検査では陰性だった160人以上のアスリートたちを「ロシアからのオリンピック選手(OAR)」として平昌オリンピックへの個人参加を認め、一方で、ロシア国歌の斉唱や会場でのロシア国旗の掲揚は禁止した。

 オリンピック出場選手たちに国家賞を授与した後、プーチン大統領はクレムリン大統領府で、「選手諸君から所属や属性を取り去ることができたとしても、誰も皆さん自身の持つ能力や人格を奪い去ることはできない。こうして皆さんは、最高のパフォーマンスを発揮してそのことを証明してくれた。私たち全員がその素晴らしい結果を誇らしく思う」と語った。

 また、プーチン大統領は、金メダルを授与された後に感極まり、思わず国歌を歌ってしまったアイスホッケーチームの選手たちについて触れ、彼らの愛国心に感謝したい、と述べ、「何百万人という国民が、選手諸君と一緒にこの勝利に大きな喜びを感じている」 と話した。

 韓国・平昌オリンピックの閉会式で、やはりオリンピックでは国旗を掲げて行進したい、というロシアの願いは、銅メダルをはく奪されたカーリング選手を含め、禁止薬物に対する陽性反応が出た2人の選手によって窮地に立たされたかに思えた。しかし、IOCは28日、OARとして出場した他の選手すべてのドーピング検査が陰性だったことを受け、ロシアの五輪参加資格停止を自動的に即刻解除し、オリンピック参加復帰への道を開いた、と発表した。

「つまり、2月25日の理事会の決定に記載があるように、ロシア五輪委員会の資格停止は自動的に解除され、即時に有効となった」と、IOCは声明を発表した。

 ロシアの選手たちは、フィギュアスケートやアイスホッケー競技で2個の金メダル、6個の銀メダル、そして9個の銅メダルを獲得した。

 クレムリン大統領府での授与式で、フィギュアスケート競技に出場し、銀メダルに輝いたエフゲニア・メドベージェワ選手は、「私たちは全身全霊を賭けて競技に臨み、祖国のためにこれらのメダルを勝ち取りました」と述べた。

 ロシアのアイスホッケーチームの主将を務めたパーヴェル・ダツュク選手も同様に、「私たちは、持って生まれたロシア人気質のおかげで祖国の名誉を守ることができました」と述べ、「ロシア人魂が不滅であることを実証するチャンスと支援を賜り、心から感謝しています」と続けた。

「様々な挑発にも決して屈することなく、全ての実力を出し切った選手たちに厚く御礼を申し上げたい」と、ロシア五輪委員のアレクサンドル・ジューコフ会長はテレビ放送されたコメント中で謝辞を述べ、「制裁につながり得る最後の一線を越えなかったファン全てに感謝の意を表したい。本日のIOCの決定は私たちにとって非常に重要な意味を持つ。私たちロシア五輪委員会は紛れもなくオリンピック・ファミリーの正式な一員だ」と話した。

 ロシアはまた、2件の陽性反応のさらなる調査と将来的なアンチ・ドーピングへの取り組みに対して1,500万ドル(15.9億円)を支払うことで、課せられている金銭的な制裁を遵守した。

 ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が設置した新しい反ドーピング機関の責任者、ビタリー・スミルノフ氏は28日、「我々が過去に犯してきた過ちを全て正していく道のりは長く、決して平たんなものではない」と認めた。

 2014年のソチ・オリンピックの際、ドーピング検査施設の壁に開いていた「ネズミの穴」を通して、不正開封を防止する容器に入った尿のサンプルを事前に準備しておいた問題のないクリーンな尿のサンプルとすり替えたとされる組織的な不正が発覚したが、ロシアはこの事件への関与を否定し続けている。

 ロシアをオリンピックに復帰させるIOCの決定は、先に国際パラリンピック委員会が決定していたロシア国家のパラリンピック参加資格停止の継続とは関係しない。3月8日から18日に開催される平昌パラリンピックに参加するロシア選手たちは、IOCの妥協を反映する形で「中立のパラリンピック選手(NPA)」としての参加が認められている。

By ROB HARRIS and VLADIMIR ISACHENKOV, Associated Press
Translated by ka28310 via Conyac

Text by AP

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