日本、中国人の行きたい国1位に アジア全体で高まる人気の理由は

 今年はどこの国へ行こう、と年初に海外旅行のパンフレットをめくる人も多いだろう。2015年に中国人が一番行きたい国は日本であることが、中国の旅行会社の調査で明らかになった。

 旅行情報サイト運営会社トラベルズー・アジアパシフィックは、回答者4300人に44の訪問先リストから最も行きたい5ヶ所を選んでもらった。トップは日本の39.6%で、前年の29.2%から上昇した(ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ))。

◆円安とビザ規制緩和
 日本人気の一因は円安、とWSJは指摘している。円相場は2014年、中国人民元に対して約10%下落した。

 数年に渡る政治的緊張で日本旅行を控えた中国人観光客の需要が積み上がっていたことも理由に挙げられる。トラベルズー中国法人のビビアン・ホン社長によると、日本政府が2014年にビザ規制を緩和したことも一役買っている。また、北京や上海から東京まで飛行機で約三時間とういう近さも魅力のようだ。

 海外に出かける旅行者が最も多い国は中国と言われている。中国の旅行当局によると、2014年、中国から外国へ出かけた旅行者は11月末で、1億人を超えた。去年10月、中国の国慶節休暇には、中国最大の旅行ポータルサイトであるCtrip.comに、日本への旅行の予約が殺到したという。

◆東京が一位、大阪が二位
 日本は2015年、アジア太平洋地域全体でも一番人気の旅行先である。Hotel.comの調査によると、人気トップは東京で、大阪が香港を抜いて2位、京都は10位に入った、とCNBCは報道している。

 日本は以前からアジア太平洋地域からの旅行者に人気があったが、最近の円安がさらに需要を後押ししているようだ。

 Hotel.comのAbhiram Chowdhryアジア太平洋副社長は、「今や15%も安く旅行できるのだから、日本の人気はうなぎのぼりだ」と述べた(CNBC)。

 アジア太平洋の旅行客が海外旅行を牽引する中、旅行業界は彼らの好みを無視できない、とCNBCは指摘している。IPK Internationalによると、 2014年の8月までに、アジアから海外に出かける旅行客は8%増加し、世界平均の2倍の伸びを見せた。

◆世界で最も素晴らしい景色
 Friendly Planet Travel社長のペギー・ゴールドマン氏は、ハフィントン・ポスト(US版)で、2015年のお勧めの旅行先として、日本を挙げている(原題:Top 15 International Destinations for 2015)。

 日本では、世界で最も素晴らしい景色を見ることができ、特に春の桜ほど美しい色は他にはない。また、日本にはユニークで面白い文化があり、相互に関連し合う現代社会において、その人気はますます高まっていくだろう、と同氏は評価している。

 2014年に日本を訪れた外国人旅行者は1300万人以上に上るが、2015年はさらに多くの旅行者が訪れることが予想されている。

Text by NewSphere 編集部