自衛隊、“宇宙部隊”創設へ 「ガンダムプロジェクト」と海外から注目 そのミッションとは

 防衛省は2019年をめどに自衛隊に宇宙部隊を発足させる方針を決めた。宇宙部隊は、地球の周りを回っている危険な宇宙ごみなどから人工衛星を守る任務を担う。

 地球の周りには、役割を終えた人工衛星やロケット、その他の設備の破片などが多数漂っており、通信衛星や偵察衛星との衝突が懸念されている。日本は、アメリカと協力し、宇宙ごみ監視を行う。自衛隊の宇宙部隊が入手した情報はアメリカ軍に提供される。

 宇宙部隊に関し、海外メディアも注目している。オーストラリアのSBSやパキスタンの『Daily Times』は、陸海空に次ぐ「第4の戦場」といわれる宇宙分野でも、日本はアメリカとの連携強化を図る、と報道している。

【中国をけん制する狙い】
 宇宙部隊の創設に関し、韓国の『東亜日報』は、中国をけん制する狙いがあるという東京新聞の報道を紹介している。近年、中国は宇宙の軍事利用拡大に意欲を示している。日本の宇宙部隊の創設は中国でも注目を集めるだろう、という意見が『Yahoo!』にも多数寄せられた。

 宇宙が「第4の戦場」と形容されたため、宇宙戦争を連想した海外ユーザーも多かったようだ。人気ゲーム『バトルフィールド』の4作目拡張パックのタイトルが『Battlefield 4: China Rising』だったため、「すでに第4の戦場は始まっている」と『kotaku』に投稿したユーザーもいた。

【ガンダムプロジェクト】
 ガンダム等のアニメの海外ファンが多いため、宇宙部隊創設に関しても、ガンダムを揶揄したコメントが多く見られた。

・日本がガンダムと宇宙エレベーターを作るのも時間の問題だ。(Yahoo!)
・ついに、日本は宇宙人から人類を守るため、巨大ロボットを作るという必然的な探求を開始した。ガンダムプロジェクトと呼びたい。 (Yahoo!)
・日本だから、完全な大きさで完璧に機能するRX-78-2ガンダムを作るだろう。(kotaku)

【宇宙の軍事競争への懸念】
 宇宙部隊創設が、宇宙の軍事競争につながるのでは、と懸念する声も聴かれた。7月、日本政府は国家安全保障宇宙戦略を今年中に作成する方針を発表していた。

・宇宙部隊が宇宙ごみの回収者にすぎないなら、なぜこんなに軍事的な名前をつけるのか。(kotaku)
・宇宙の武装化という考えには吐き気がする。日本には(宇宙ごみ回収という)リミットを超えてほしくない。(kotaku)
・地上には有効射程が超長距離の大陸間弾道ミサイルがあるのに、宇宙に武器を持ち込む理由がない。(kotaku)
・武器競争ほど宇宙技術を開発させ、人類を進歩させるものはない。(Yahoo!)

↓日本のロボットに世界が注目↓

Text by NewSphere 編集部