日本の最先端ヒューマノイドに海外メディア驚愕 25日から日本科学未来館で公開

 人間そっくりの顔を持つロボット「コドモロイド」と「オトナロイド」が24日、東京の日本科学未来館でその性能を披露した。これらのロボットは、大阪大学の石黒浩教授によって作られ、シリコンでできた皮膚と人工筋肉を持ち、遠隔操作で動く。25日より同施設で開催される、ヒューマノイドロボットの体験型展示『アンドロイド-人間って、なんだ』に先駆けてのお披露目だ。

 デモンストレーションでは、ロボットがニュース原稿を読み、観客と会話するなどした。ただ、喋る時に唇が動かないなどのいくつかの小さな欠陥がみられたようだ。

 海外メディアは、「人によく似た人ではない存在」の不気味さに強い興味を示している。

【はにかむロボット】
 未来のディストピア(暗黒郷)では、ロボットによる支配が我々人間の想像よりもずっと密かに、知らないうちに進行するかもしれない、とデイリーメールがぞっとする未来図を想像している。

 また、マッシャブルは、「不気味の谷(人型ロボットなどの様態があまりにも人間に近いときに、見る者に違和感や嫌悪感を抱かせる現象)」ネタを探しているなら、石黒教授の研究がぴったりだろう、と伝えている。

 AFPによると、少女の外見を持つコドモロイドは、地震とFBIの強制捜査についてのニュース原稿を流暢に読み上げた。また制作者の教授を「何だかロボットに似てきましたね」などと茶化したという。

 一方オトナロイドは、舞台に上がっていることに緊張する様子を見せ、自己紹介を促されると言葉を言い間違え、「少し緊張してます」などと言い訳をしたという。

【ロボットは手の届く買い物】
 デモでは、ロボットが遠隔操作で声が発生されるのと同時に唇や眉を動かし、瞬きしたり、顔を横に向けたりした。圧縮空気とサーボモーターで動き、椅子に座って上半身だけを動かすことが出来る。

 石黒氏のロボットはホンダのアシモのように自己制御の機能はない。アシモは人の顔こそ持っていないが、階段を上ったり、ジャンプやボールを蹴ったりすることもできる。お茶をお盆に乗せて運ぶこともできる。それに比べ、オトナロイドやコドモロイドは、頭、腕、胴体を動かすことができるが、立ったり歩いたりはできない。一番違うのは、常に人が操作しないと動かないことだ。

 ソフトバンクの孫正義社長は5日、人工知能を搭載した人型ロボット「ペッパー(Pepper)」を発表した。ペッパーは人間の感情を読み取る機能を持つ。2015年2月から、19万8000円で一般販売される予定だ。石黒氏は、ペッパーの開発と、一般の人にも購入可能な値段について、ロボット工学の発展にとって良いことだと話した(マッシャブル)。

「ロボットは今や誰もが所有することができるほど身近なものになってきた―ノートパソコンを買うのとさほど変わらない」(マッシャブル)
 
【人間である意味を探る研究】
 石黒氏は、今回発表されたロボットは、人間がロボットとどのように交流するのか研究するための良い材料だとしている。「アンドロイドを作ることは、人間である意味を探求することでもある」「感情とは何か、意識とは何か、思考とは、という問いに対する考察だ」(デイリーメール)

 AFPは、人間がロボットに対してどのように反応するかのデータを集めるため、来館者と交流してもらうことが目的だ、と報じている。

 しかし、マッシャブルは、ロボットが人間に近づけば近づくほど、逆に人間との違いが不気味さを増す、と禁じ得ない恐怖感を伝えている。


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NewSphere編集部
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Text by NewSphere 編集部