世界の旅行者満足度、東京が1位 観光消費増に期待高まる…免税施策などで魅力アピール

 世界最大級の旅行クチコミサイト『トリップアドバイザー』が20日、「旅行者による世界の都市調査」の結果を発表した。

 調査結果によると、本命と見られていたニューヨークやバルセロナ、パリなどをおさえ、「総合的な満足度」で東京が首位に輝いた(前回1位)。次いでニューヨーク(前回20位)、3位にバルセロナ(前回14位)、4位にイスタンブール(前回18位)が続いた。パリは意外にも9位(前回22位)だった。

 この調査で対象となったのは、世界の主要37都市に旅行した者5万4千人で、16項目を0~10点で評価。そのうち、「街中の清潔さ」「タクシーサービスの総合的な評価」「公共交通機関の評価」「現地の人の親切さ」「総合的な満足度」の5項目で、東京は1位だった。

【ワースト3からみる日本の課題とは】
 東京は、16項目中13項目がトップ10にランクインしている。一方、「文化に対する評価(11位)」「観光・アクティビティ(13位)」「コストパフォーマンス(20位)」の3項目に関しては、相対的に評価が低い。ただ、コストパフォーマンスは、円安の影響からか、前回の26位から改善している。

 「文化に対する評価」と「観光・アクティビティ」は、今回の調査から新たに追加された項目だ。トリップアドバイザー株式会社の原田静織代表取締役は、同社のプレスリリースで、「東京は『文化』『観光』面での旅行者の満足度はまだまだ上昇する余地があると感じます」とコメントしている。

 今後は、日本文化の魅力をいかに外国人旅行客に伝え、いかにクチコミなどで拡散してもらうか、がポイントになるのではないか。例えば観光面では、日本の四季を五感で楽しめ、かつ「ワクワク感」や「ドキドキ感」、「スリル」などが体験できるアクティビティをアピールすることなども考えられる。

【外国人観光客、初の1000万人を突破、その理由は】
 日本政府観光局(JNTO)が観光立国を推進している中、今回の調査結果は、それをさらに後押しするものと言える。訪日外国人旅行者数は、2003年度には521万人だったが、2013年度には1036万人と約2倍に増え、過去最高を記録した。

 円安、格安航空会社(LCC)の参入、タイ・マレーシアのビザ発給緩和措置などが主な要因だと考えられる。

 ただ、日本への訪問者数は世界の33位(2012年度)で、伸びしろは大きい。1位フランス、2位アメリカ、5位イタリア、7位ドイツ、8位イギリス、と他の先進7ヶ国(G7)の順位は軒並み高く、フランスは日本の約10倍(約8300万人)である。

【観光立国が日本経済を救う?】
 また、消費税の引き上げで個人消費が落ち込んでいる中、小売業界が、外国人観光客の増加に期待している、とロイターが報じている。

 実際、日本百貨店協会によると、4月の免税売上高は60.1億円で、前年同期比54.3%増と急拡大している。三越伊勢丹ホールディングスは、免税手続き大手のグローバルブルーと提携し、伊勢丹新宿店、日本橋三越本店、銀座三越に免税店を設けた(ビジネスジャーナル)。

 さらに、10月からは、免税対象品目が拡大し、化粧品や食品などの消費税が免除されるという。

 ロイターは、日本の人口が減少していく中、ビザ緩和やカジノ合法化が、日本に3000万人もの外国人観光客を呼び込む主な要因になるだろう、という日本政府の見解を紹介している。

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Text by NewSphere 編集部