任天堂、“同性婚できない”ゲーム設定で謝罪 続編対応の確約なく、海外から辛口評価も

 ニンテンドー3DSソフト『トモダチコレクション 新生活 (英語版:Tomodachi Life 6月に欧米で発売予定)』の同性婚問題に新たな展開があった。ゲーム内での同性婚を可能に、とのファンの要望に、当初変更はしないと発表していた任天堂。ところが、同社の対応を巡り、ファンや同性愛者の団体から批判と抗議が殺到したことから、9日に公式謝罪文が発表される事態となった。

【謝罪はしたが、変更は不可能】
 謝罪文の中で、任天堂は「同性間の交際関係をゲームに入れなかったことで、多くの方々を落胆させてしまった」と陳謝。次の『トモダチ』シリーズが作られる場合は、「より包括的で、すべてのプレーヤーを反映したゲームを体験してもらえるような設計を目指す」と発表した。

 ただし、同性婚ができるように現在のゲームを変更することは、「残念ながら不可能」とし、「そのような重要な開発変更は、出荷後のパッチ(完成後のプログラムの修正)では対応できない」と述べるにとどまった。

【海外メディアは辛口評価】
 タイム誌は、任天堂の言う変更がどれだけ「重要な」ものだったのかは、部外者としては言及するのは不可能だと述べる。そのうえで、同社の品質管理は業界では「伝説的(に良くも悪くも有名)」で、何をするにも容易にはいかないと述べた。

 また、今回の謝罪と約束で、世間の怒りを抑制、少なくとも軽減することを任天堂が期待しているのは、疑う余地がないとしている。

 IT系ニュースサイト『The Verge』は、任天堂が当初「(このゲームが)実生活のシュミレーションではなく」、「いかなる社会的主張も」するつもりはないという理由で、ゲイキャラクター同士の結婚に難色を示していたことを、「下手な小細工をした説明」だったと批判。今回の謝罪も不適当で、次のシリーズ作で同性婚を可能にするとの確約もなかった、と指摘した。

 ただ、今回、任天堂は批判に対応し、今後数年間の原則をファンに示しており、最低限のことはしたとも述べている。

【世間の反応は?】
 今回の謝罪に関して、『The Verge』には多くの読者からコメントが寄せられている。

・パッチでは直せないって言うけど、ホントかな?

・他社ならできるだろうが、マジでできないのかもよ。任天堂が技術的に劣っているとしても別に驚かないけど。

・採算が合わないんだろうな。ともかく謝罪してくれたのはいいことだし、今後は最初からこういう対応をしてほしい。

・万人向けのゲームなんてない。気に入らなきゃ買うなよ。何で世界中のみんなに好かれるゲームを作るのが、任天堂の責任ってことになるんだ?

・狂気の沙汰だね。企業もお気の毒。後ろを振り返るにも、人を怒らせないように気をつけなきゃならないご時世だわ。

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Text by NewSphere 編集部