小保方さんに海外から同情と応援の声 「間違いを認めたのは勇気ある」

 イギリスの科学専門誌「ネイチャー」に発表したSTAP細胞論文のねつ造疑惑に関し、理化学研究所(理研)の小保方晴子研究ユニットリーダーは4月9日、大阪市内のホテルで記者会見をした。小保方氏は論文の不備に関しては謝罪をしたものの、STAP細胞は存在すると主張。海外メディアも会見の内容を報じている。

【注目された会見】
 ロサンゼルス・タイムズ紙は、小保方氏の「200回以上(STAP細胞を)作った」というコメントを記事の見出しに採用。「自身が所属する研究機関に不正行為で非難されている日本の幹細胞科学者」と小保方氏を紹介し、論文ねつ造疑惑発覚後、初めて公の場に姿を見せ、2時間にわたり質問に答えたと伝えた。

 イギリスのデイリー・メール紙は、深々とお辞儀をしたり、神妙な面持ちでマイクを握る小保方氏の会見の写真数枚とビデオを掲載し、「数百人のレポーターで満杯となった会見中、涙をこらえて」小保方氏がデータ改ざんを否定したと報じた。

【海外メディアの批判は少なく】
 今回の会見に関する海外各紙の記事には、小保方氏に対する厳しい批判はあまり見られない。

 ロサンゼルス・タイムズ紙は、小保方氏が論文を書く上での自分の「不注意、不勉強、未熟さ」を謝罪し、「だまそうという意図はなかった」と述べたことを報じた。

 また、理研の調査委員会は4月1日に小保方氏の論文にねつ造、改ざんがあったと結論づけたが、同紙は「彼女は批判に答えるための機会を与えられておらず、調査委は1度しか彼女に話すチャンスを与えなかった」というジャパン・タイムズの報道を引用。調査結果に対する不服申し立てをした小保方氏の行動は「予想通り」と述べた。

 デイリー・メール紙は、小保方氏が間違って画像を使用したことや、修正した画像を使用したことを「何度も謝罪した」ものの、研究自体は正しいと主張し、論文取り下げに反対していると報じた。

 また、小保方氏の弁護士が「(理研の)調査は不十分で大急ぎで行われたものだ。やり直しが必要だ」と述べたことや、論文の結果を十分に検証しなかったとして、理研自体が小保方氏の同僚や上司を批判していることも伝えている。

【謝罪は評価】
 デイリー・メールの記事には、小保方氏への同情、応援のコメントが多数寄せられていた。

・小保方さん、大丈夫。謝罪し間違いを認めたのは勇気がある。
・少なくとも間違いを詫びたと言うガッツと礼儀正しさはあった。
・若い研究者にこんな扱いすべきじゃない。上の人の責任はどうなの?

 一方、“切腹したほうがいい。甘い” 、“論文の内容を証明できれば解決するのに”という厳しい意見もあった。

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Text by NewSphere 編集部