“原発の代わりには程遠い” 日本最大のメガソーラー稼働 海外からは賛否両論

 再生可能エネルギーが注目を集めるなか、京セラを中心としたグループが、日本で最大となるメガソーラーを完成、稼働させた。発電規模は70MWを誇り、国内のみならず海外からの注目も高い。この「鹿児島七ツ島メガソーラー発電所」に続くかたちで、今後、日本各地でメガソーラーが稼働する予定だ。

【国内最大の太陽光発電建設・稼働】
 京セラグループは国内最大となる「鹿児島七ツ島メガソーラー発電所」を完成させ、11月1日に稼働を開始した。総投資額は270億円、太陽光パネルの設置枚数は29万枚、年間発電量は7900万kWhを誇る。これは一般家庭の2万2000世帯分の電力使用量に相当。年間の収入は30億円以上を見込んでいる。さらには、年間約2万5000tのCO2削減効果も見込む。

 敷地内には展示施設「鹿児島七ツ島ソーラー科学館」を設置し、11月6日から一般見学を開始している。

【海外からの賛辞と嘲笑】
「slate.com」では、国内最大のメガソーラー発電所の建設を受け、「福島後、日本はソーラー発電に美を求める」、「美しきプロジェクト」などと紹介。国が原発の本当の代償に直面したからこそこのようなことが起きた、と伝えている。

 また太陽光発電は原発よりも電力が高くなるが、ワシントン・ポスト紙は、消費者は(価格の)犠牲は受けるに値すると考えている、とみている。

 海外のユーザーからは「すばらしい。日本は全力を尽くして欲しい」、「アメリカもこの計画を行うべきだ」との賛辞も寄せられた。

 一方で、「2万2000世帯分の電力? 日本には5400万世帯がいると聞いたが……。これではあと2500もの太陽光発電所が必要になるではないか。良い話ではあるが、原発に代わるエネルギーとして機能しきれるかは疑問だ」との厳しい意見もある。

【今後の展開】
「鹿児島七ツ島メガソーラー発電所」の次は、2015年に愛知県で81MW、青森県で115MWのメガソーラーが稼働する予定。さらに2018年には岡山県で230MWものメガソーラーが誕生する。

Text by NewSphere 編集部