なぜ世界で新幹線が愛されるのか?海外初進出の台北、真価発揮の米テキサスなど

EQRoy / Shutterstock.com

♦︎ユーロスターと併用のイギリス

イギリス鉄道395形電車 / Sunil060902 / wikipedia

イギリスの首都ロンドンから南東部のケント州に向けて、ハイスピード1と呼ばれる高速線が郊外へと延びる。この路線でユーロスターと並んで運行されているのが、日立製作所製の「クラス395」車両だ。ディープブルーにイエローのアクセントが効いたデザインで、軽量の投げ槍を意味するジャベリンの愛称で親しまれている。最高時速は225キロに達する。クラス395は、日本の車両メーカーが初めて製作した欧州の高速鉄道車両だ。

同線は首都からドーバー海峡トンネルまでのアクセスを提供する比較的短距離の路線だが、都市間の大動脈としてハイスピード2と呼ばれる新線の敷設が現在計画されている。ここで使用される車両について、フランス・ドイツ・スペインなどのヨーロッパ事業者に対抗する形で、カナダ・ボンバルディア社と組んだ日立が名乗りを挙げた。二社はイタリアの首都・ローマとミラノを結ぶ高速鉄道の提供でもタッグを組んでおり、赤い矢を意味するフレッチャロッサの名を冠する車両を提供している。

>次のページ アジア輸送のハブとなるか、タイ

Text by 青葉やまと