日本発キャビアが世界を魅了、30年の歳月にわたる挑戦ストーリーとは

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 キャビアといえば海外産の高級食材、というイメージを持っている人は多いだろう。しかし、近年では国産のキャビアが存在する。2013年、日本で唯一の本格熟成キャビア、 メイド・イン・宮崎の「宮崎キャビア1983」が誕生した。

 輸入品の多くは、長期保存のため低温殺菌や過度な塩分処理、防腐剤添加などを行なっている。しかし、「宮崎キャビア1983」はこうした長期保存のための処理を行わず、独自の熟成技術でキャビア本来の味を引き出しており、濃厚でクリーミーな味わいだ。その味は多くの高級レストランや、全日空国際線のファーストクラスで味わうことができる。

 この動画は、「宮崎キャビア1983」を立ち上げるために宮崎県が一丸となって挑戦したストーリーを紹介している。1983年「日ソ科学技術協力」の漁業協力からチョウザメの養殖研究が始まり、2011年には孵化技術を確立、2013年には宮崎キャビア事業協同組合が設立され、販売が開始された。研究開始から30年近く、多くの人々が挑戦し続け、生まれた日本発の国産キャビア・ブランドだ。

 挑戦の一つは、「研究からビジネスにする」ことだった。地域の多くの事業者が集まり協同組合を作り、経営計画の策定には宮崎県、宮崎県中小企業団体中央会、そして中小企業専門の金融機関である商工中金がサポートをした。商工中金は経営計画の策定だけでなく、地元の宮崎銀行や宮崎太陽銀行と協調体制を組み、融資の形で資金面でもサポートを行ってる。事業性の判断が難しく、収益化に時間を要する分野に、まさに「地域一丸となって挑戦をしたプロジェクト」といえるだろう。

 地方での長年の挑戦が実を結び、2017年からは香港、台湾に輸出を開始している。「日本のキャビアを、世界へ。」という目標に向かって、これからも挑戦は続いていくだろう。

提供:株式会社商工組合中央金庫

Text by NewSphere 編集部