気づかなくても蓄積、危険な「睡眠負債」 週末の寝溜めではない解消法は?

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 睡眠時間が不足し、本来必要な睡眠時間に対してマイナスとなると、「睡眠負債」と呼ばれる状態になる。ゆっくりと健康をむしばむ可能性もあり、注意が必要だ。世界的にもまん延しており、米CDCの調査によると、アメリカ人のおよそ3人に1人は1日あたり6時間未満しか眠っていないという。忙しい現代社会では週末の寝溜めで解消しがちだが、実はこの方法はかえって悪影響があることもわかっている。

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◆自覚がないことも多い睡眠負債
 睡眠不足は短期的には仕事や学業などに悪影響を与えるほか、長期間続くと糖尿病や高血圧、心臓病に脳卒中などのリスクを高めることがある。注意したいのは、「自分はまだ大丈夫」と思っていても、想像以上の負債が溜まっている場合があるという事実だ。スリープ・ファウンデーション誌は、「睡眠負債が増えていっても、私たちは常に疲労感を覚えるとは限りません」と警鐘を鳴らす。

 慢性的に睡眠負債を抱えるようになると、ほかにも多くの健康上の問題を招く可能性がある。米ヘルス・ライン誌は、免疫力が低下するほか、ストレスホルモンであるコルチゾールの濃度が上昇するリスクがあると指摘する。コルチゾールの値が高まると、怒りを感じやすくなったり、反対に気分が落ち込んで自殺衝動に駆られたりすることもある。睡眠負債は、知らぬ間に健康をむしばむことがある危険な存在だ。

◆週末にまとめて解消はNG?
 睡眠負債を解消するには、週末の寝溜めが有効なように思えるかもしれない。仕事で忙しかった平日の睡眠不足を、週末にたっぷりと寝て補っているという人も多いのではないだろうか。しかし、本当にそれで負債を解消できているかというと、必ずしも安心はできないようだ。

 ハーバード大学医学校が運営するハーバード・ヘルス・パブリッシング誌は、研究の結果、まとまった睡眠によって睡眠負債の影響を完全に打ち消すことは不可能だと判明した、と述べる。たとえば平日に睡眠不足となった場合、次に寝溜めができる週末までは仕事のパフォーマンスが落ちることになる。それだけでなく、週末にだけ起床時間をずらすことで、かえって睡眠サイクルが崩れてしまう可能性もあるのだという。自ら時差ぼけを作り出している状態だ。

 そもそも、多忙だからといって睡眠時間を削っても、思ったほど結果を出せないことも多いようだ。スリープ・ファウンデーション誌は、十分な睡眠を取った方が認知能力が向上し、日中の集中力を向上できると指摘する。睡眠時間を削ることで仕事のパフォーマンスを高められるように錯覚しがちだが、思うように成果が出ていない場合には、可能ならば思い切って睡眠の優先順位を上げてみるのも手段のひとつになるだろう。

◆解消のためには
 もしも睡眠負債を抱えてしまった場合には、じっくりと時間をかけて正しい睡眠サイクルを取り戻すことが回復への早道となる。スリープ・ファウンデーション誌は、休日も含め、毎日同じ時刻に起床するようアドバイスしている。疲労感が残る場合は、午後に昼寝を取り入れることも有効だ。15分から30分程度、短時間の昼寝をすることで、身体が休まったという感覚を覚えることができる。夜間の本来の睡眠に代わるものではないが、正しい睡眠サイクルに戻るまでの中継ぎとして機能してくれるだろう。

 一方、自分にとって何時間の睡眠が十分かまだわからない、という人もいるかもしれない。ヘルス・ライン誌は、こうした場合にはアラームをセットせず、数日間眠りたいだけ眠ってみることを勧めている。仕事の都合でアラームをセットせずに眠るのは無理という場合には、熟睡感が得られるまで、毎日15分ずつ就寝時間を早めていくというテクニックもある。

 睡眠負債から身体を解放して、より健康的な日々に近づきたい。

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Text by 青葉やまと