睡眠時無呼吸症候群、認知症リスク高める可能性 加研究
絶え間ないいびきで家族から不評を買ったり、よく寝たはずなのに日中に睡魔に襲われたりすることはないだろうか? このような状況が続くなら、寝ている間に気道が塞がれることで無呼吸となる「閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)」を患っているかもしれない。放置しておくと脳機能にダメージを与え、認知機能障害に結びつく可能性もある危険な症状だ。カナダの最新の研究により、高齢の認知症患者の半数以上がOSAを患っていることが判明した。
◆認知症の半数以上に無呼吸を確認
研究を主導したのは、カナダにあるトロント大学のマーク・I・ボウロス医学博士だ。認知症患者67名を対象に調査したところ、半数以上にOSAが確認された。無呼吸と脳機能低下との関連はこれまでにも指摘されており、今回の研究は改めてこれを裏付けるものとなりそうだ。
ボウロス博士たちの研究チームは、認知症を患う被験者たちの協力を得て、家庭での睡眠状態を測定した。モニターを装着した状態で就寝してもらい、睡眠中の呼吸パターンと酸素レベルを測定することでOSAの有無を判定した。
結果を分析したところ、調査に参加した認知症患者の52%にOSAが確認された。調査で採用されたOSAの等級が不明なため一概には比較できないが、参考までにアメリカでの中等度以上のOSA罹患率は男性で22%、女性で17%程度だと言われている。今回の被験者の平均年齢は73歳と高く、罹患率が年齢とともに上昇するのは自然な傾向だ。しかし、それを考慮しても52%という数字はかなり高いように思われる。OSAが認知機能障害を招くという見方には一定の説得力があると考えて良さそうだ。
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