睡眠が女性の生殖機能に影響か 不妊に悩む女性の睡眠、53分短く 英研究
英大学の研究チームは、女性の生殖能力と睡眠に関する調査を実施した。結果、不妊に悩む女性はそうでない女性に比べて睡眠時間が1時間ほど短いことが判明した。子供を望む夫婦にとって、改善のヒントとなる可能性がありそうだ。イギリスの産婦人科医学誌『アクタ・オブステトリシア・エト・ジネコロジア・スカンディナヴィカ』(2020年9月27日)に掲載された論文のなかで明らかとなった。
◆不妊・流産の人々は睡眠時間が短く
調査を実施したのは、イギリス南部沿岸の街に本拠を構えるサウサンプトン大学だ。充実した設備を誇る研究主導型の大学であり、世界トップクラスの名門校としても知られる。本研究を主導したチームは、睡眠が妊娠に関連しているか否かを明らかにするため、今回の調査に臨んだ。
協力したのは88名の女性たちで、大きく3つのグループに分けられる。1つめは繰り返し着床に失敗したことで不妊に悩んでいる人々、2つめは流産を3回以上経験している人々、そして3つめは対照群として、正常な出産経験を持つ人々となっている。それぞれおよそ1週間にわたって手首に活動計を装着し、睡眠時間のデータを収集した。
グループごとの平均値を集計したところ、不妊に悩む人々はそうでない人々に比べ、睡眠時間が短い結果となった。着床に失敗しているグループでは平均7時間35分となっており、これは対照群よりも53分少ない。反復流産のグループも同様の傾向にあり、対照群よりも36分少ない数字となった。
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