眠りの浅い人はストレスに弱い可能性 米大がマウスで実験

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あなたは長期的なストレスを受けたとき、平然と暮らすことができるだろうか? これは実際にそのような環境に置かれないと判断することは難しいだろう。しかし、近い将来、眠りのパターンを分析するだけで判定できるようになるかもしれない。ニューヨーク大学アブダビ校が、マウスを用いた実験により、睡眠パターンをもとに慢性ストレスへの耐性を予測するためのヒントを掴んだようだ。

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◆眠りが浅いとストレスに弱い?
ニューヨーク大学アブダビ校は、2010年にアラブ首長国連邦(UAE)の首都アブダビに開設された総合大学だ。アメリカの著名大学が海外で開設した、初の総合大学としても知られている。今回の研究は、同校で神経学・神経行動学を研究するラボが実施したものだ。ラボはマウスを使った実験により、深い眠りであるノンレム睡眠のパターンと、ストレス耐性の強弱との関連を突き止めた。ノンレム睡眠が寸断しがちなマウスは、ストレスを経験した後の行動に異常が見られるケースが多かったという。

具体的な実験手順としてチームは、マウスに慢性的社会的ストレスを与え、その前後で睡眠の傾向を測定した。また、ストレスを受けた事後の行動により、マウスを2つのタイプに分類する。ストレス後に社会的回避行動を示したマウスはストレス耐性の弱いグループとみなし、そうでなかったグループは耐性のあるグループとして扱う。

グループごとの睡眠の特徴を比較したところ、興味深い事実がわかった。ストレスを経験する以前の段階ですでに、ストレス耐性の弱いマウスたちはノンレム睡眠が頻繁に中断される傾向にあったことが判明した。ストレスに強いマウスと比較すると、ノンレム睡眠の1回あたりの時間が短く、浅い眠りであるレム睡眠への移行が頻繁に確認されている。

Text by 青葉やまと