安眠に役立つ「ホワイトノイズ」とは? アプリや専用機も続々

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あえて雑音を流すことで、集中力を高めたりリラックス効果を引き出したりする。そんな手法が密かな人気を呼んでいる。「ホワイトノイズ」と呼ばれる種類の雑音を聴くことで人間は気が散りにくくなり、スムーズな眠りにもつながるという。専用アプリなどが開発され数百万ダウンロードの人気を見せる一方、使用には注意点もあるようだ。

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◆ノイズで寝つき改善
ホワイトノイズとは特定のタイプの雑音のことで、たとえば扇風機のファンの回転音やアナログ時代のテレビの放送終了後のノイズなど、「サー」「シャー」と聞こえるタイプのノイズを指す。光に例えるとさまざまな波長が均等に混ざった白色の状態になっており、このことからホワイトノイズと呼ばれるようになった。

雑音といえば一般に煙たがられる存在だが、ホワイトノイズは集中力アップのほか、安眠に効果を持つと言われている。一定の雑音をかけることで、そのほかの耳障りな音がかき消されて気にならなくなるためだ。米インサイダー誌は、ホワイトノイズには複数の周波数の音が均等な強さで重なり合っており、ほかの雑音をかき消す「聴覚マスキング」と呼ばれる効果を生むのだと説明している。いわばノイズをもってノイズを制すといったところだ。

寝つき改善の効果を証明した研究もある。米インサイダー誌は、ホワイトノイズを流した方が眠りにつきやすくなるというアメリカでの調査結果を紹介している。気になるのはノイズ下での眠りの質だが、ノイズにより睡眠の深さが悪化することもなく、ノイズなしの状態とほぼ同じ質が保たれたという。

こうしたノイズ本来の作用に加え、睡眠前の習慣づけによる効果も重要なメリットだ。寝る前にホワイトノイズを流す習慣が続くと、特定のノイズを聴けばリラックスして眠りの準備を始める時間だと脳が理解するようになる。米NBCのニュース番組『トゥデイ』は、いわゆるパブロフの犬のような条件反射が起こり、入眠が促進されるようになると説明している。

Text by 青葉やまと