米大バスケで大活躍の渡邊雄太選手、大手紙も注目 NBAデビューへの期待も

ワシントン・ポスト記事

 アメリカNCAA1部のジョージ・ワシントン(GW)大の1年生渡邊雄太が、チームの重要なメンバーとして頭角を現し、連日の活躍に人気が急上昇している。

◆試合の流れを変えるシックスマン
 渡邊は、試合の流れを変えるシックスマンとして起用されており、日に日に出場時間が増え、知名度も上がっている。ニューヨーク・タイムズ(NYT)紙によると、対セントルイス戦では、終了のブザーが鳴り響く中、渡邊は相手チームのシュートをブロックし、チームの勝利に貢献した(75-72)。

 渡邊は、シュートの正確さにも定評がある。1ゲームあたり平均8.0ポイント得点しており、フリースローラインからの得点率は83.8%である(NYT)。最近では、1年生には普通させない、テクニカルファウルのショットまで任されている。

渡邊は「重要な時に活きる」とマイク・ロナーガン・コーチからの信頼も厚い。「彼はスターティングメンバーみたいなものだ」「ユータ(渡邊)がいるから、交代後すぐに得点が可能になる」と同コーチはNYTに語っている。

 渡邊は、相手チームからも脅威と見られているようだ。『Richmond Times Dispatch』は「渡辺が1-3-1のトップで、GWはリッチモンドの災い」と題する記事で、フォワードの渡邊がトップでプレイすることで、相手をかく乱する効果がある、と指摘している。リッチモンド大のコーチは、「腕が長い、運動能力の高い選手がパスを邪魔しにくる、すごい威圧感だよ」とこぼしている。

◆トニー・クーコッチの再来か
 渡邊は、NCAA1部の大学への入学を目指して準備していた、セント・モア・スクール時代から注目されていた。ワシントン・ポスト(WP)によると、当時18歳だった渡邊のプレイを見たトリニティカレッジのコーチは、シカゴ・ブルズのスターだった「トニー・クーコッチそっくり」とべた褒めであった。

 渡邊の夢は、いつかNBAでプレイする事だ。才能のある大学生プレイヤーなら、だれでも願う夢だが、実現できるのは、ほんの一握りにしか過ぎない。日本人でNBAプレイヤーになれたのは、2004年にフェニックスサンズで四試合出場した田臥勇太だけだ。しかし、渡邊がプレイする姿を見た者は誰でも、その夢は実現可能と思うだろう、とWPは指摘する。

 渡邊の才能はロナーガン・コーチの折り紙つきだ。「彼には大きな可能性があることを、毎日見せてもらっている」と同コーチはWPに語る。「シュートはうまいし、アウトサイドでも楽にプレイできるし、覚えるのも早い」「彼はチームで最も安定しているプレイヤー。新人なのにあり得ない事だよ。」

 渡邊は夢に向かって、一歩一歩近づいている。

Text by NewSphere 編集部