NYで話題の「ニュー・カワイイ」スタイルとは!? コスプレ・レイブイベントなどが盛況

 日本のアニメやゲームに影響を受けた「カワイイ」スタイルが海外各地でも大人気なのは既にご存知かもしれない。この動きは衰えることを知らず、各地でさらなる進化を遂げているようだ。

◆遂に英語になった”カワイイ”
 BBCによると、なんと辞書(Collins English dictionary)に「Kawaii(カワイイ)」が追加されたのだという。イギリスでも「カワイイ」文化は浸透中だ。

 その辞書『Collins English dictionary』によると、カワイイの定義とは「日本のアーティスティックなカルチャースタイル。明るい色やキャラクターで可愛らしさを強調した子供のような格好」であるという。しかし、イギリスの「カワイイ」ファンにとってはそれ以上の意味がある、と同記事は伝えている。それによると「カワイイ」とは、創造性を発揮し、新しい友達と出会い、全く違う文化を体験する機会なのだという。

 記事では、「あなたが25歳以下の日本文化に詳しい者でない限り、カワイイとは一体何のことか知らないだろう」とある。やはり若者独自の文化ではあるようだ。しかしブロガーのタータン・カワイイさん(28)は、日本ではカワイイは若い女子だけのものじゃないと語る。「いい年の男性がキティちゃんのかわいさについて語ることもあるわ。まあちょっとヘンではあるけど、同時にうらやましくもある。様々なバックグラウンドの人が同じレベルに立って共通の趣味を語れるなんて、とても素敵なことだと思うわ」と彼女は言う。

◆聖地・原宿
 『fusion.net』は「米アーティストやセレブがカワイイを仕入れる本場」として東京の原宿を紹介している。

 そもそも原宿とは、実は単なる東京のいち都市名に過ぎない。確かに東京ファッションの中心地ではあるが、いわゆる「カワイイ」はその一部に過ぎず、あらゆるスタイルの終結する街であると述べている。しかし、欧米では、原宿が「カワイイの象徴の街」と捉えられているようだ。

 グウェン・ステファニーが『ハラジュク・ガールズ』という曲を出したのはもう10年近く前だ。以後もレディ・ガガやケイティ・ペリーなど多くのアーティストがそのテイストを取り入れている。かつ海外セレブだけでなく、原宿スタイルを代表するきゃりーぱみゅぱみゅの影響も大きいという。

◆そして独自の進化へ
 『Noisey』では、日本のカルチャーに影響を受けつつ従来のオタク文化から一歩進めた新たな流れを「ニュー・カワイイ」と表現している。

 「ニュー・カワイイとは、日本発祥のサブカルチャーの美意識を取り入れ、ストリートファッションやアートと融合させたものである」とミシェル・ルーク氏は言う。日本のサブカルチャーへの憧れは今に始まったことではないが、ケイティ・ペリーなどのアーティストが取り入れている「カワイイ」がもはや日本のパクリではなく、文化のひとつへと昇華しているのは「ニュー・カワイイ」の功績だという。

 ルーク氏がニューヨークはブルックリンの「ニュー・カワイイ・コスプレレイブ」を訪れたところ、アジア系の参加者は自分だけであったという。ピカチュウのかぶりものとシャツを着たDJがかける音楽はゲームやJ-POPの色濃いエレクトロニック・サウンド、すれ違う女の子の髪の毛は植栽のようにモコモコで、色は鮮やかなブルー。まだ夜中でもないのに、コンクリートの壁が揺れるほど盛り上がっている。これは、今増えつつある新しいパーティスタイル「ニュー・カワイイ・レイブ」の典型的な例だ、と同氏は伝える。

 ここまで大きなパワーを持った流れになると、そのうち日本の「カワイイ」でさえ海外からの輸入文化となる可能性もあるかもしれない。

※写真は別のイベントのものです。

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Text by NewSphere 編集部