“かわいい!” チアリーダーロボットに世界も注目 10体のシンクロダンスに驚き

 株式会社村田製作所は25日、東京・渋谷の同社支社で記者会見を行い、10体の「村田製作所チアリーダー部」を開発したと発表した。幕張メッセで10月7日から10月11日の日程で開催される「シーテックジャパン2014」で、披露される予定だ。初代と2代目「ムラタセイサク君」、2008年に紹介された一輪車の「ムラタセイコ」に続く村田製作所の4代目ロボットに、海外メディアも注目している。

【チアリーダーロボット】
 10体のチアリーダーロボットは、ボールの上でバランスを保ちながら全方向に移動し、音楽に合わせてフォーメーションダンスを披露する。3つのジャイロセンサーを使用して体の傾きを計測し、体の重心を地面とボールの上でキープすることによってバランスを保っているという。非常に苦心した点、と広報課担当課長、吉川浩一氏は記者会見でコメントした。多少の力を加えても倒れない、と『The Verge』は報じている。

 2つの発信器から出された超音波と赤外線を、頭部に内蔵した5つのマイクと4つの赤外線センサーで受信し、互いの位置をリアルタイムに把握することで、シンクロした動きを実現した。開発には京都大学の研究者が協力している。動きは予めプログラムされているが、現在リアルタイムで修正できるシステムを開発中、と吉川氏は話している(『The Verge』)。

 なおチアリーダーチームには補欠もいて、体調の優れないロボットの代わりをするという。

【未来へのビジョン】
 技術・事業開発本部の小島祐一副本部長は記者会見で、チアリーダーロボットの動きは様々なテクノロジーの集結であると説明。「小さな女の子たちが電子機器の可能性を見せてくれる」、と話した(ウォール・ストリート・ジャーナル紙)。例えば、ロボット同士が衝突しない技術は乗り物の衝突回避システムとして、その他のセンサーはスマートウォッチなどのウェアラブルテクノロジーに活用できるという。

 1体のロボットに集結された幅広いテクノロジーを紹介することで、村田製作所が個々の部品を作る会社としてだけではなく、様々な部品をモジュールにして“ソリューション”を提言できる会社として知ってもらいたい、と小島氏は説明している。

 「ワイヤレスセンサネットワークは、より進歩したより良い社会の基盤となる」、と吉川氏は話す。親しみやすい魅力的なロボットを見て、未来のイノベーターたちが興味を持ってくれれば、と期待する(『The Verge』)。

 今後チアリーダーロボットが商業目的で利用されることはなく、同社がロボット販売に着手する予定もないという。

【海外の反応】
 『The Verge』には海外ユーザーからのコメントが寄せられている。
・アニメみたいでかわいい。
・気に入った。
・ダッシュボードに乗せておいたら、逆に事故の確率が上がりそう。
・スゴイ!
・この姿で“アンドロイド”と呼べるのか。

 ツイッターにもコメントが寄せられた。
・日本大好き!
・日本、がんばって面白いことを続けて。
・かわいい。
・日本はなんでも思いつくな。
・デリーには踊る交通巡査がいたけど、こっちのほうがクールね。

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Text by NewSphere 編集部