ジョブズが悪のビジネスマンと対決!?  日本の新作漫画「スティーブズ」、海外でも話題に

 アップルの共同創設者である、スティーブ・ジョブズ氏とスティーブ・ウォズニアック氏の青年時代を描いた日本の漫画が海外で注目を集めている。海外メディアはその内容を報じた。

【アップル共同創設者の漫画】
 漫画家“うめ”の作品『スティーブズ』では、スティーブ・ジョブズ氏とスティーブ・ウォズニアック氏の友情とアップルの共同設立を描いている。うめは原作担当の小沢高広氏と作画担当の妹尾朝子氏の夫婦ユニットで、今回の作品はすでに発表されている短編が大幅に手直しされたものだ。6月27日の小学館の『ビッグコミックスペリオール』から掲載が始まる。

 WIREDによると、『スティーブズ』は歴史だけでなく友情コメディの要素もある。よりアクション・ヒーロー的なジョブズ氏と、神経質な友人ウォズニアック氏という描かれ方をしているという。友人のためDRAMチップ供給源の確保に奔走するジョブズ氏が、悪のビジネスマンと対決するという典型的な漫画のヒーローになっている。どの程度事実からかけ離れるかはまだわからない、とWIREDはコメントした。

 2013年には、「テルマエ・ロマエ」で知られるヤマザキマリがウォルター・アイザックソン氏の伝記を原作に、より真面目なアプローチで描いている。北米最大手アニメ紹介サイト『アニメニューズネットワーク』によると、同伝記は「ソーシャルネットワーク」のアーロン・ソーキン監督による映画化も予定されている。

【海外読者の反応】
 『アニメニューズネットワーク』には漫画化へのコメントが寄せられた。
・またか。去年もう映画になっている。
・ジョブズが悪そう。
・ジョブズの髪型がかっこ良すぎじゃない。
・ウォズニアックがトトロに見える。
・英語版も出してほしい。
・ウォズニアックが働いてジョブズが手柄と儲けを得る、虐待関係だ。
・典型的なボーイズラブの関係だね。

【ハーバードで漫画を教材に】
 ウォール・ストリート・ジャーナルによると、ハーバード・ビジネススクール(HBS)ではより視覚的な世代の学生向けに、教材に漫画スタイルを取り入れ人気を呼んでいる。最近では、ジョブズとウォズニアックがどのようにコンピューター会社を設立したかについてのノーム・ワッサーマン教授による古典的研究が視覚化された。

 教授は、学生が漫画によってより深く人物に感情移入し、ケーススタディの分析において直観的な要素が加わる、と評価しているという。また英語を母国語としない学生にとって内容が理解しやすくなる。例えばウォズニアックが裏切られて哀しい表情をしている絵の方が、同じ状況を文字で説明するより分かりやすい。学校内ではまだ懐疑的な見方も多いが、ワッサーマン教授と発案者のアレクサンダー氏は、漫画バージョンがオリジナルよりも軽薄なことはなく、より視覚的なだけだと主張しているという。

スティーブ・ジョブズ I [amazon]

Text by NewSphere 編集部