ノゲイラ選手(37)、衝撃KO負け “絶頂期は日本”と語る姿に、ファンから悲痛な声

 元PRIDEヘビー級王者で、元UFC世界ヘビー級暫定王者のアントニオ・ホドリゴ・ノゲイラが、11日にアブダビで開催されたUFC Fight Night 39で、ロイ・ネルソンに1回KO負けした。共に37歳の2人は、それぞれ不調気味と言われていたため、名誉を挽回するためにも勝利をおさめたい試合だった。約3分半という短い時間で倒れてしまったレジェンドの姿に、メディアやファンは引退の可能性を想像せずにはいられないようだ。

【レジェンドの引退は誰が決めるべきか】
 ノゲイラのマネージャーによると、彼は試合後に病院で診断を受けており、激しく頭を打ったため、めまいがするという。まだ報道陣の前で試合後のコメントを発表できる段階ではないようだと格闘技サイト『MMA Finghtng』は報じている。

 また、彼は以前から、引退する時は最後にフランク・ミアと対戦したいと語っていたようだ。これまでUFC 92(2008)で2回TKO負け、UFC 140(2011)で第1ラウンド・キムラロックで逆転負けをして右腕を骨折している。ミアやUFCからの反応は今のところ報じられていない。

 最近の黒星はいずれもトップファイターたちを相手にしているものとはいえ、ノゲイラ衰退の印象は増すばかりだ。格闘技サイト『MMAJunkie』では、引退するからといってレジェンドとして尊敬されてきた彼の経歴が光を失うわけではないのだから、潮時なのではないかとしながらも、その時を決めるのは本人なのか、周りなのかと話題を展開している。

 前半にネルソンの強烈なパンチを受けノゲイラの足取りが定かでなくなっていた様子について、本来であれば審判が中断すべき状況だったが、これまでも最強のカムバックを見せてきたノゲイラであったため、審判はあえて続行することを選択したのだろう、と英デイリー・ミラー紙は分析している。どこでやめるかは本人が決めることとし、今後の動向に注目している。

 一方、英インディペンデント紙では、格闘技は安全を第一に楽しむスポーツであるべきと主張している。戦いに人生を捧げてきた選手には自身の運命を決める権利があるべきで、そのタイミングを理解することは重要であるとしながらも、情熱ゆえに正しい判断ができない場合には、周りがストップをかけることも必要だとしている。サッカー選手のように、動きがわずかに遅くなることがボールに届かなくなることを意味するのではなく、格闘技の場合、ほんのわずかな動作の遅れで致命的な結果を招きかねない、とその危険性を何度も強調している。

【ノゲイラ、絶頂期は日本だった】
 ノゲイラはネルソンとの対戦前に「2人ともKOやサブミッションで勝つことを狙う戦法」だとコメントし、試合を楽しみにしていたとスポーツ情報サイト『bleacher report』」などは報じていた。また、MMAJunkieの取材では、アメリカ大陸で戦うのは4年ぶりであり、そのことが日本でのPRIDE時代を思い出させるとした。「日本での日々が格闘技人生の絶頂期だった」とも語っている。「何一つ変えたいとは思わない」という日本でのキャリアの中でも、最も輝いているのは対ボブ・サップ戦での勝利だとしている。

 また、どん底に落ちていたのは数々の故障していた時期であり、年を重ねるともに回復が困難になってきていると語った。試合前のインタビューでは引退の計画はまだないとしていたが、絶頂期を過ぎたことを自覚していたようだ。

 国内外を問わず、ファンによるツイートや各メディアのコメント欄では、多くの感動と興奮を与えてくれたレジェンドがKOされる姿はもう見たくない、という意見が多い。このまま勇退なのか、最後の試合を行うのかは明らかでないが、ノゲイラ選手の今後が注目されている。

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Text by NewSphere 編集部