フランスで愛の南京錠は禁止されるか…“取り除いてもまた90トン分の鍵がかかる”

 2000年頃からパリのセーヌ川にかかる橋の欄干に見られるようになった「愛の南京錠」が約15年後の今日、パリの景観を傷つけているとして南京錠禁止のキャンペーンが始まっている。

【padlock(愛の南京錠)とパリ】
 2000年頃からパリを訪れた恋人たちが、「自分たちの愛を封印する」としてセーヌ川にかかるポンデザール橋の欄干に南京錠をかけ、そのカギを川に投げ入れる行為が始まった。その後セーヌ川沿いの他の橋にも広まり、現在は無数の錠で橋の欄干が埋め尽くされ、その重さで橋が崩壊の危機にさらされているという。

CNNによると、ポンデザール橋には93トン、アルシュヴェシェ橋には40トンの錠がかかり、取り除いても2週間後にはまた錠でいっぱいになる。

各メディアはこの行為に反対するキャンペーン、NO LOVE LOCKSの発起人、リサ・アンセルモの言葉を引用しその過熱ぶりを報じている。

具体例を挙げると

「人々は鍵をかけるのにランプポストに登ったり、ガードレールから身を乗り出し、命の危険を冒してやっている。これは一種のマニアのやることでロマンスではない」(ガーディアン紙)

「大きさも4インチもあるものもある。鍵がかけられなくなった場所では落書きが目立ちはじめた。ポンデザール橋はマニアの餌食になる」(デイリー・メール紙)

と、その目に余る行為を報じている。

【「愛の南京錠」禁止への対策は】
 パリ在住の2人のアメリカ人が南京錠に反対するキャンペーン(NO LOVE LOCKS)を2月に開始し、パリ市長アンヌ・イダルゴ氏、20のパリ行政区区長、市議会に南京錠を禁止するよう要求した。

現在のところ1700~1900名の署名を集めたが、実際のパリ市民の反応は、驚き、無関心、怒り等様々なようだ。CNNは、ポンデザール橋のある町の区長は錠が景観を壊していると認め、NO LOVE LOCKSと共に錠をかける別の場所を探していると報じている。また警察も監視を行っているがおいつかないようである。

パリ市は’e-love lock’をこれまでのものに代わるものとして、ウェブサイトで進めている。ガーディアン紙、デイリー・メール紙では「南京錠の人気が続き、遺産にダメージが大きくなるようなら、恋人たちの気持ちを壊さないよう解決策を講じる必要がある」とのパリ市の考えを掲載している。

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Text by NewSphere 編集部