京染物のヒジャーブも登場!? 日本のイスラム教徒“おもてなし”効果で、好感度上昇

 2月18日に発表された、イスラム教徒にとって最もフレンドリーな国ランキングで、日本は昨年の50位から10位順位を上げて40位となり、最も大きな改善がみられた国となった。(第1位はマレーシア)

 ランキングが急上昇した日本について、複数の海外メディアが報じている。日本はイスラム教徒たちにとってどのような国だと捉えられているのだろうか?そして、日本がイスラム教徒を呼び込むために行っている取り組みとは?

【1月の外国人観光客数、過去最高】
 日本を訪れる外国人観光客は、昨年2013年に初の1000万人を突破。2014年に入っても増加傾向は続いており、今年1月の訪日外国人客数は94万3900人。1月としては3年ぶりに過去最高を更新し、13年7月の100万3032人に次ぐ人数となった。

 政府は次の目標を2000万人と定めており、今後成長が予想され、海外旅行者の増えるであろうイスラム諸国の観光客を取り込もうと、官民が一体となって誘致に力を入れている。

【イスラム教徒の間で、日本の評価が上がっている?】
 イスラム教徒向けの旅行代理店Crescentrating社の最高経営責任者Fazal Bahardeen氏は、「日本は、イスラム教徒観光客に焦点を当て昨年から最もアクティブにそのための取り組みを行っている国である」とコメント。

 日本のホテルでハラール(イスラム法上で許された食べ物)が食べられるようになったこと、イスラム教徒のためのトラベルガイドが発売されるようになったこと、日本の地方でイスラム教徒観光客への理解を深めるためのプログラムが始まったことなど、日本の積極的な取り組みが評価されたようだ。

【イスラム教徒を呼び寄せるための日本各地の取り組み】

 京都では観光客を呼び込むため、伝統工芸品を紹介するイベントを開催した。1913年創業の「馬場染工場」が色づけした、イスラム教徒の女性が使う「ヒジャーブ」というスカーフなど、意外なものも置かれていた模様。京都市はイスラム教徒を積極的に京都に呼び込み、観光や伝統産業を活性化する狙いであるという。

 神奈川では、イスラム教徒観光客の受け入れ態勢を整えようと、3月5日に箱根町湯本の湯本富士屋ホテルにて、セミナーが開かれる。

 千葉では、イスラム教徒向けの和食向けメニューを開発するため、イスラム教徒の学生に向けた試食会が、木更津中央の料亭「宝家」で行われた。千葉県は、東京オリンピックの開催も念頭に置き、イスラム教徒向けのメニュー開発や受け入れ態勢を整えている、と千葉日報ウェブちばとぴは報じている。

 また、ホテル日航熊本は、メッカの方角を示すキブラを全客室の机の引き出しに設置、礼拝マットや礼拝衣装の貸出、豚肉・アルコールを含まないオリジナルメニューを提供するなど、イスラム教徒が宿泊しやすい環境を整え、2月1日からサービスを開始している。

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Text by NewSphere 編集部