スノボ竹内、銀メダルの快挙! しかし海外メディアは静かな反応、なぜか?

 ソチ五輪のスノーボード女子パラレル大回転で、竹内智香選手が銀メダルを獲得した。今大会日本女子のメダル第1号となる快挙を、国内各紙は大きく取り上げた。しかし海外メディアは、異色のオリンピック・カップルに注目している。

【予選はトップ通過。転倒で金は逃す】
 スノーボードパラレル大回転は、予選タイム上位16人の選手で決勝を戦う。決勝トーナメントは1対1形式で2回滑り、1回目はタイムを競う。2回目は、1回目に先着した選手が、1回目のタイム差をつけてスタートし、先にゴールした方が勝者となる。

 竹内選手は予選をトップのタイムで通過し、決勝まで勝ち上がった。決勝ではスイスのパトリツィア・クンマー選手と対戦し、1回目0.3秒差をつけてリードを奪ったものの、2回目の後半に転倒。惜しくも金メダルは逃した。

【コーチの支えと肉体改造でトップ選手に】
 毎日新聞は、竹内選手への母校からの応援や、ソチでの母裕子さんの喜びの涙を感動的に伝えつつ、快挙の裏にはコーチの存在があったと述べている。

 竹内選手は、2011年よりオーストリア人のフェリックス・スタドラー氏の指導を受け、大きく力をつけてきた。スタドラー氏とはドイツ語で激しい口げんかをすることもあるという竹内選手だが、「私にないものをたくさん教えてくれた」というほど、コーチに信頼を寄せている。以前はスイスに拠点を置いていた竹内選手に、日本に戻るよう勧めたのもスタドラー氏だった。

 産経新聞は、日本に戻った竹内選手の激しいトレーニングについて紹介し、体力をつけるためにウェイトやサーキットトレーニングに取り組み、肉体改造に成功したと述べている。その成果あって、今季W杯3戦連続2位、個人総合2位と有力選手に成長した。

【観客はロシア代表への期待で興奮】
 しかしながら、この竹内選手の快挙を海外メディアは短くしか報じていない。代わりに大きく取り上げたのは、夫婦でスノーボードパラレル大回転のメダルを獲得した、ロシア代表のヴィック・ワイルド選手とアリョーナ・ザワルジナ選手だ。

 ワイルド選手は実はアメリカ出身。2011年にザワルジナ選手と結婚したことで国籍をロシアに移した異色のボーダーであることから、注目されていたようだ。また、アイリッシュ・タイムズ紙によると、ザワルジナ選手とワイルド選手が夫婦ともに金獲得かと期待が高まっていたという。

 結果としてザワルジナ選手は銅、ワイルド選手は金メダルを手にし、ロシアのファンを大喜びさせた。竹内選手の「劇的な」転倒がもたらしたクンマー選手の金メダルさえも、熱狂的なロシアの観客たちのおかげですっかりかすんでしまったらしい。

 AP通信はクンマー選手の優勝と、ロシア人夫婦のメダル獲得のニュースを報じたが、竹内選手の「私の表彰台は日本だけのものではない。世界中にありがとうといいたい」というコメントを掲載。この種目で日本に初の銀メダルをもたらした同選手の活躍を讃えている。

ソチオリンピック2014総集編 2014年 3/10号 [雑誌]

Text by NewSphere 編集部