交流400年、イギリスの日本イメージはどう変わったか

 今年は日本とイギリスの交流が始まってから400年目にあたる。400年の長きにわたる歴史を経て、イギリスは日本の新しい魅力を再発見している。

【イギリスの日本イメージは、イギリス人が起源?】
 今年は日英交流400年を記念し、「Japan400」として英国各地で様々な講義、イベントが開催されている。例えば、大英博物館では春画の特別展が開かれるなど、イギリスでは日本との関係を振り返る特別な年になっている(Japan 400のサイトで大きく紹介されている)。

 英インディペンデント紙は、両国の歴史を伝える記事の中で、幕末期に日本で活躍したトーマス・グラバーに着目した。彼は軍艦、蒸気エンジン、線路などを輸入し、現代まで続く日本の各産業の創設に携わった。例えばグラバーが輸入した醸造所は、現在ではキリンビールとなって引き継がれている。奇しくも、イギリス人の日本に対するイメージ(高性能な電気製品、自動車、テクノロジー)は、イギリス人が日本にもたらしたものだと伝えている。

 またBBCは、日本の現代文化について伝える記事の中で、完璧さを求めて常に努力し、品質改善を行い、伝統的で厳格なルールを守る組織の国であると伝えている。実際、日本製品に対する高品質なイメージは強く、イギリスには日本車愛好家たちが立ち上げた「ジャップカーズクラブ」という団体まであり、毎年盛大なイベントが開催されているという。

【日本のカワイイ文化の人気も高まる】
 一方、上記と異なる日本の一面にもスポットライトが当たるようになってきている。それが「Kawaii文化」だ。BBCは、その代表的存在として、きゃりーぱみゅぱみゅを紹介した。独特なスタイルで海外ツアーを行い、ネット上のミュージックビデオの視聴回数は5000万回近くにもなる。オリコン・ビズ・オンラインによると、きゃりーのロンドン公演は、発売から数秒でチケットが売り切れたという。

 イギリスでの日本カルチャー人気は年々高まっており、昨秋のイベントには4万6000人が集ったという。

【日本の新しいイメージへ】
 BBCが伝えるとおり、きゃりーがイギリスでも人気なのは、彼女の奇抜さとある種これまでの「日本らしくない」魅力にあるのではないだろうか。彼女の持つ新しいスタイルは、従来イギリス人が持つ日本のイメージからくる完璧さや伝統といったものとは、全く正反対のイメージだ。

 これら新旧二つのイメージのギャップこそ、日本のもつ新しい魅力なのかもしれない。

Text by NewSphere 編集部