日本の「制服」に、スペインのアニメファンから熱いまなざし

 日本の中高生の「制服」といえば、海外でも「ガクラン」「セーラー服」という日本語がそのまま通り、どんなデザインや着こなし方が流行中かについても詳しく解説されるなど、以前から高い関心を持たれている。

【格好いいガクラン・・・?】
 男子学生服の「ガクラン」は、これまでは「地味な上着に詰め襟、金メッキのボタンに、ひさし帽」といった説明つきで、明治時代から続く伝統的な制服として紹介される事が多かった。

 しかし最近では、性別を問わず制服を個性的に着こなす中高生が増えている。女子高校生の多くは制服に合わせて「かわいい」小さなグッズやアクセサリーをバッグにしのばせている。

 また社会や世間への反抗の象徴として、男子高校生の場合、上着のボタンをあえて留めず、ズボンをずるっと垂れた形で履く着崩し方が流行するようになった。日本映画でも、たとえば「クローズZEROⅡ」で、不良の仲間を連れた主人公が「ガクランを着た悪ガキ」として存在感を示している。

【海外でも「かわいい!」ミニスカート】
 また、女子中高生のミニスカートは、海外でもファッショナブルな服装として脚光を浴びている。

 例えばスペインでは、「制服の丈としてはとても短いが、世界的に人気がある」と紹介した上で、「日本の女子中高生の制服風ミニスカートの作り方」と称して、正確なサイズ(日本の制服では、プリーツの幅や重なりの標準が何cmかなど)や上手に仕上げるコツまで記したサイトがある程だ。

 商品化も進んでおり、テレビアニメ「HANASAKU I RO HA(花咲くいろは)」のキャラクターのジャケットやスカーフ、コスチュームは、「最もオーソドックスな日本の制服」という表現で、海外サイトで通信販売されている。ちなみに、来日する外国人観光客 向けフリーペーパー『att JAPAN』の2011年3月号の記事でも、この「花咲くいろは」が紹介され、観光振興に一役買っている。

【人気の背景と今後の展開】
 このように、ファッションとしての日本の制服に対する海外の注目は、映画やマンガ・アニメといった日本のコンテンツの海外展開によるところが大きいといえる。

 たとえばスペインのバルセロナでは、4日間の会期中7万人近くを動員する、世界でも最大級のマンガの祭典「サロン・デル・マンガ」が有名であり、会場には日本の制服姿の少女たちも多い。

 日本のアニメ、マンガ、ゲームのほか、日本語、カラオケ、和食、伝統舞踊といった日本文化全般の紹介も積極的に行われており、ヨーロッパではジャパン・エクスポ(フランス)に次ぐ規模を誇るイベントである。70年代のテレビアニメが、スペインでのマンガ・アニメ人気の礎となったが、近年のイベントでの最も大きな目玉は、WCS(世界コスプレサミット)のスペイン代表選考会であり、毎回熱狂に包まれる。なお、今年は10月29-11月1日にかけて開催が予定されている。

Text by NewSphere 編集部