レアアース埋蔵量、世界で最も多い国は? 地政学的リスク、日本の取り組み
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ハイテク製品などの製造に欠かせないレアアース(希土類)は、現代社会に不可欠な素材だ。一方で、その供給は中国など特定の国に偏っている。近年、中国は自国の優位性を背景に輸出規制を強化しており、世界各国はサプライチェーンの多様化を急いでいる。日本も南鳥島周辺の海底資源開発など独自の取り組みを進めているが、中国依存からの脱却は容易ではない状況だ。
◆先端産業に欠かせない重要なレアアース
現代技術の縁の下の力持ちとも言えるレアアースは、私たちの生活に欠かせない存在だ。コバルトやニッケル、レアアースなどの希少金属の用途は多岐にわたり、ハイテク製品、電気自動車、風力発電機の部品などさまざまな分野で需要が急増している。次世代のエネルギー産業やハイテク産業を支える基盤として、その重要性はますます高まっている。
同時に、採掘できる鉱山のある国が限られているため、供給不足は世界的な懸念となっている。米地質調査所(USGS)によると、17種類の希土類元素は地殻に比較的豊富に存在するものの、採掘可能な濃度で産出する場所は限られている。
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