イギリス人に「お得な」観光地、東京4位 円安で増える訪日客

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◆今後の課題は
 オーバーツーリズムに関しては、観光スポットに人が集まって混雑するという事実だけでなく、人気観光地の各地方自治体がマナーの悪い観光客に頭を悩ませている。富士山を見えなくする黒幕を設置した山梨県の富士河口湖町のように、苦肉の策を取らなければならない市町村が増える可能性もあり、そうなれば観光客、受け入れる側双方にとって、非常に残念なことだ。

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 この問題は日本だけでなく世界共通のもので、ヨーロッパの人気観光スポットを有するスペインやイタリアでは、観光スポットへの入場を事前予約制にしたり、観光客に街への入場料を課したりしている。

 日本政府は来年の外国人旅行者数に関し、コロナ禍前のピークである3188万人を上回る水準を目指すとしている。日本は、アジア圏で最も行ってみたい国を問われた際によく名が挙がる国だ。そして、日本に行ってみたい理由として最も多いのは、独自の文化と美しい景観である。その景観と独特の文化を作り出している地元住人の暮らしを守りながら、高まるインバウンド需要の舵をどう取っていくのか。政府・各自治体が現在直面している課題であり、世界中の多くの指導者が頭を悩ませている特効薬のない問題でもある。

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Text by 西尾裕美