「未来がすぐそこに…」海外も期待のリニア新幹線 試乗したユーチューバー大興奮
◆野心的なプロジェクトで「日本の技術を世界に示す」
技術面でも海外の関心を引いている。米ブルームバーグ(4月5日)は、日本のリニア新幹線プロジェクトを「日本で最も野心的な建設プロジェクト」として取り上げている。「超伝導磁石を使用して列車を約10センチメートル浮上させる技術は、世界に日本の技術力を示すものだ」と述べる。
単に技術面で優れるだけでなく、現在の日本が必要とする技術だとも指摘する。新型コロナのパンデミックの収束以降、海外から多数の観光客が日本に流れ込み、高速輸送網は「手狭になってきている」と述べる。今年だけでも3300万人を超える訪日観光客を迎えると言われる日本に、さらなる高速鉄道は必須との見方だ。
一方で記事は、「何よりも日本は、HS2高速鉄道プロジェクトで失敗したイギリスとは違うことを証明しなければならない」とし、高速鉄道計画の難しさを論じる。もっとも、日本では熊本の半導体プロジェクトが極めて迅速に立ち上げられたと例示し、「日本が総力を結集してなお迅速に動けることの証」がすでに存在する、と楽観視する内容だ。
英フィナンシャル・タイムズ紙(4月9日)も、リニア新幹線が、日本の技術革新と産業の輝きを再び示すための重要なプロジェクトになると述べている。リニアが大阪まで開通すれば、既存の半分以下の最短67分で移動可能となる。
技術面だけでなく、誰もが乗れる公共性の高さも特色だと記事は指摘する。日本のリニア新幹線は「コンコルドやスペースXのような富裕層向けの技術」ではなく、「大衆向けの公共交通機関として位置づけられているのだ」と述べ、先進技術が一般の人々の生活に活用される事例だと強調している。