4年連続1位だった日本の「競争力」、なぜ低下し続けるのか? IMD世界ランキング
◆終身雇用が効率性の妨げとの指摘
IMDの世界競争力センター所長を務めるアルトゥーロ・ブリス教授は昨年4月に来日し、IMD北東アジア代表の高津尚志氏とともに登壇している。両氏は各種データに基づき、日本の競争力低下の要因を解説した。
その一つに、民間部門の効率性不足が挙げられる。高津氏は、1997年からの25年間で日本の総合順位が17位から34位に下がっているとのデータを示し、特に「ビジネス効率」での順位が63の国と地域のなかで51位と低迷していることを強調した。
ブリス氏は、日本国内の視点では大企業が成長しているように見えるが、従業員1人当たりの生産性は低下していると指摘する。これには文化的な要因もあり、人を解雇せずに雇用し続ける終身雇用が非効率を生む一因になっているという。
聴衆から「大企業では成果を出さなくても、規約違反でもない限り解雇されません。(中略)大企業の生産性の低さは成果が雇用と関係していないのが理由」ではないかと質問が上がると、ブリス氏は「その通りだと思います」と応じた。