「子供がいない人は負担増」 ドイツ、介護保険料引き上げを検討
Karsten Leineke / Shutterstock.com
ドイツ政府が、子供のいない人の介護保険料負担をさらに引き上げる改革案を検討していることが分かり、波紋を呼んでいる。
報道によると、ドイツ保健省は、23歳以上で子供のいない人を対象に、介護保険料負担を段階的に引き上げる案を準備している。現在2.3%となっている本人負担率を、さらに「2.5%」へ引き上げる内容だという。
ドイツではすでに、子供がいない人に追加負担を求める制度が導入されている。今回の案が実現すれば、子育て世帯との負担差はさらに拡大する可能性がある。
今回の改革案では、労働者本人が支払う介護保険料率について、子供がいない人は2.5%、子供1人は1.8%、子供2人は1.55%、子供3人以上は1.3%と、子供の人数に応じて差を設ける方向だという。企業側は別途、一律で1.8%を負担する。
背景にあるのは、ドイツの介護保険財政の悪化だ。
ドイツでは高齢化が進む一方、出生率低下で保険料を支える現役世代が減少している。医療関連団体は今月、制度改革が行われなければ介護保険制度が財政危機に陥る可能性があると警告していた。
ドイツの介護保険制度は1995年に導入された公的制度で、給与から保険料を徴収する仕組みだ。現在も、子供がいない人は子育て世帯より高い保険料を支払っている。2023年の制度改革では、その差がさらに拡大されたばかりで、今回さらに追加負担案が浮上したことで、国民の間では負担増への警戒感も広がっている。
制度を巡っては賛否もある。
支持する側は、「子供を育てる家庭は、将来の社会保障制度を支える世代を育成している」と主張する。一方で、子供を持たない生き方への圧力になりかねないとの批判や、「子供を持てない事情を抱える人への配慮が不足している」との声も出ている。
日本でも少子高齢化による社会保障財源の悪化が続いており、ドイツの制度を巡る議論は関心を集めそうだ。




