好調の日本株、海外は楽観視 2024年はどうなる?

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 昨年から、日本株の好調が続いている。その流れは今年になっても引き継がれ、日経平均株価は、1989年12月29日につけた最高値3万8915円を更新することは間違いないという声もある。円安、コーポレート・ガバナンスの改善などが海外投資家からも歓迎されており、日本株への期待が膨らんでいる。

◆過小評価からの脱却 円安が後押し
 日本株への期待は、いくつかの要因によって高まっている。まずあげられるのが円安だ。シンガポールのESSECビジネススクールのジャマス・リム准教授は、20年以上にわたりアンダーパフォームを続けてきた日本の株式市場は現在非常に過小評価されているという印象があり、この印象が海外からの投資を割安にする円安によって後押しされていると指摘している(サウスチャイナ・モーニング・ポスト紙、以下SCMP)。

 CNBCも、海外投資家の日本への資金流入には円安が一役かっているとし、昨年12月の日本株ファンドへの純流入額が、前月の700億円から3200億円に増加したと報じた。最近円高がやや進んだが、日銀のマイナス金利政策からの脱却が遅れると市場は見ており、円はさらに弱くなっているというアナリストの見方を紹介した。

 SCMPは、円安は製造業が多い日本の上場企業に為替レート安の恩恵を与えているとし、これが日本株のバリュエーションを上げる傾向があると説明している。

Text by 山川 真智子