ドイツ・ベルリン、リニア計画を発表 8000万ユーロ投じ実験線

博物館に展示されるMバーンの車両|FloSch / Wikimedia Commons

 ドイツの首都・ベルリン市が、磁気浮上式高速鉄道(いわゆる浮上式リニア)の建設計画を発表した。まずは5〜7キロの試験走行区間を建設し、将来的に本線の一部に組み込む予定だ。無人運転の浮上式リニアとすることで、地下鉄よりも速く建設でき、安価につく見込みだという。

◆安価な建設費で高速輸送を実現
 ニュースサイト『ローカル』(ドイツ版)は、中道右派のキリスト教民主同盟(CDU)と中道左派の社会民主党(SPD)によるベルリン市の連立政権が、環境に優しい交通手段として浮上式リニアの試験走行路の建設を承認したと報じている。

 従来の鉄道とは異なり、強力な磁石を使って列車を浮上させ、摩擦を減らして速度を上げる。ベルリン市議会のCDUベルリン代表のダーク・シュテットナー氏は、地下鉄などに比べて建設費が比較的安価につくだけでなく、完成もはるかに早いと利点をアピールしている。予定している路線は、運転士なしで自律的に運行し、乗客と物資の両方の輸送を想定している。

 ユーロ・ニュース(11月21日)は、車体を浮上走行させる仕組み上、「列車が線路に接触する摩擦がなくなり、速度が向上し、騒音が低減する」と利点を挙げている。最高速度については発表されていないが、同記事は参考として、ドイツのトランスラピッド技術を用いた上海リニアが時速300キロで運行していると紹介している。

Text by 青葉やまと