ジンバブエ、金裏付けデジタル通貨を導入 自国通貨の信頼回復なるか

ジンバブエ準備銀行のマングジュヤ総裁(2022年7月)|Tsvangirayi Mukwazhi / AP Photo

◆インフレ抑制と信頼回復に向けて
 RBZは金貨やデジタル通貨導入の背景には、ジンバブエの自国通貨の価値下落が激しく、ハイパーインフレーションが続いているという課題がある。過去1年間の変動だけ見ても、昨年5月はじめに1米ドル=約160ジンバブエドルだったのが、1年後には1000ジンバブエドル以上になり、ジンバブエドルの価値は1年で6分の1以下にまで下がった。現状、ジンバブエでは米ドルとジンバブエドルの両方で運営されている状況だ。

 しかし、デジタル通貨の発行は、根本的な解決にはならないという指摘もある。政府の支出を賄うために紙幣を増刷し、インフレを引き起こしている。経済活動からの十分な歳入を得られていない。金融政策の抜本的な改革なしに、課題は解決しないという見方だ。

 金に裏打ちされたデジタル通貨が、今後、現地でどれだけ流通するのか。RBZの今後の施策も含めて注目に値する。

Text by MAKI NAKATA