ボルドーのブドウを根こそぎにしなければならない理由 フランスワインの危機
◆必要なチャレンジと転換
ボルドーは、タンニンの多い重めの赤ワインを特徴とするが、その消費が減っている今、ワイン自体のバラエティを増やすことも一案だ。実際、この10年でボルドーのクレマン(発泡酒)の生産量は4倍になっている。また、ボルドーにおいても、開けてすぐ飲めるような渋みの少ないフレッシュな軽い赤ワインや、ノンアルコールあるいは低アルコールのワイン製造を視野に入れ始めている。(同)
いずれも簡単な挑戦ではない。しかし、このまま手をこまねいていては、この先10年で約10~15万人が職を失う事態になるというのがワイン製造業者らによる予測だ(フランス・アンフォ、2/13)。
ワイン余剰の問題はボルドー地方だけの問題ではない。ファルジュ副会長によれば、ローヌ渓谷などでも、同じ理由でブドウの木を根こそぎにすることが検討されているという。長らくフランスの代名詞のように見られてきたワインだが、その結びつきは徐々に堅固さを失いつつあるようだ。