鉄道、郵便、医療も…拡大するイギリスのストライキ、市民に大打撃

スコットランド議会の前で抗議する教職員労組(11月24日)|Jane Barlow / PA via AP

◆ほかの労働組合へも波及
 RMTのストライキは、ほかの組合へも波及。12月はほぼ連日のようにストライキが開催される予定で、クリスマス、年末年始の人や物の移動に大きな影響が及ぶことが予測されている。たとえば、郵便サービスを提供するロイヤル・メールは、クリスマス前を含む複数日のストを予定。ロイヤル・メールは11月にもストを実施し、約11万5000人が参加。オンラインショップを含む小売店が大々的にセールを行う催事として知られているブラック・フライデーのオペレーションに打撃を与えた

 また、入国審査を行うスタッフが、クリスマスから年末にかけてストライキを行うとのこと。ホリデーシーズンの旅行客らに大きな影響が及ぶ見込みだ。さらには、看護師や救急車の運転手もストを計画している。イギリス政府は、国民への影響を最小化するために軍を導入して対応する予定だ。

 この冬のストライキは、1980年代以降で最大規模を記録する見込み。組合側が納得する賃上げ要求が受け入れられるまでは、さらなる時間を要することも予測される。イギリス国民はさらなる不便を強いられることになりそうだ。

Text by MAKI NAKATA