鉄道、郵便、医療も…拡大するイギリスのストライキ、市民に大打撃

スコットランド議会の前で抗議する教職員労組(11月24日)|Jane Barlow / PA via AP

 今年の6月から続くイギリスでのストライキ。12月はほぼ連日さまざまなストライキが予定されており、休暇中特に、市民や海外からの訪問者に大きな影響が及ぶ見込みだ。その詳細とは。

◆鉄道職員のストライキ、合意に至らず
 イギリスにおけるストライキは、今年の6月21日に開始して以降、断続的に続いている。全国鉄道・海運・運輸労働組合 (RMT:The National Union of Rail, Maritime and Transport Workers)は、インフレによる価格の高騰により生活が圧迫されるなか、賃金の上昇が追いついていないため、賃上げを要求している。6月に3日間行われたストライキでは、4万人以上の職員が参加し、過去30年で最大規模を記録。多くの乗客が足止めをくらった。

 その後、8月にも大規模なストライキが行われ、英運輸省はナショナル・レール側の8%の賃金上昇を受け入れるように説得を試みた。しかし、組合側は10%のインフレ率に見合った賃金上昇を求めており、いまだナショナル・レール側との合意に至っていない状況だ。

 そして12月と来年1月にかけても、さらなるストライキが予定されている。ナショナル・レールは、全国的なレベルで12月だけでも8日間のストライキが予定されているとし、乗客に呼びかけを行っている。列車の運行時間は短縮され、多くの列車が運休・遅延するという事態が予測されている。

Text by MAKI NAKATA