「トム・クルーズはOKなのに?」日本の慎重な入国規制緩和、海外から称賛と不満の声
日本政府は6月10日から、訪日旅行客に対する入国規制を緩和する。感染リスクが低い98ヶ国・地域からの添乗員付きのパッケージツアー客に限り、受け入れ人数の上限付きで入国を認める。2年以上続いた入国規制の緩和に、慎重論と期待が交差する。
◆訪日客は「マナーが悪い」?
これまで根強かった慎重論の根底には、海外客の感染対策に関する不安がある。マスクはその象徴といえそうだ。日本のある観光会社の役員はロイター(5月30日)に対し、「マスクを着用しない人々や手の消毒をしない人々」など、「外国人観光客のなかにはマナーの悪い人々が大勢いるだろうとの懸念があった」と語る。海外の人々はマナーが悪いとする認識には議論の余地があるが、一部にはマスクの着用義務を撤廃した国もあり、こうした習慣に慣れた旅行客との認識の違いがトラブルを生む可能性は否めない。
日本の感染対策は慎重すぎるとの論もあるが、ブルームバーグ(5月27日)は一定の有効性を認めているようだ。記事では、日本では高齢者が多いにもかかわらず、ワクチンの先行導入をしたイギリスよりもコロナ死者が少ないことなどを挙げている。「こうした要因は、自主的な手段の緩和に慎重な日本に根拠を与えるものだ」との見解だ。
- 1
- 2