日本が待望の“開国”も…試験ツアーに落胆する海外
◆ガチガチに管理 魅力薄いツアーに海外不満
もっとも海外では不満の声も聞かれる。ユーロニュースは実証実験であることは理解しつつも、ツアーそのものに参加する意義を見出していない。ツアーの対象が非常に限定的なことに加え、旅程が厳重に管理されツアーコンダクターが同行すること、都道府県が同意した地域のみの訪問となり、日本の主要な観光地が除外される可能性があることなどを問題視している。旅の魅力はガイドブックに載っていない隠れた魅力を自発的に発見することだが、2年間も待ってやっと訪れた日本で、自由を犠牲にすることができるのかと疑問を呈した。
旅行関連サイトの『ポインツガイ』は、「テストツアー」計画の発表で、ついに開国かと日本旅行愛好家たちは興奮気味に反応していると述べる。しかしこの1年間、日本は開国を幾度もほのめかしては人々をがっかりさせてきており、誇大広告を信じてはいけないと警告している。
そもそもこのツアーは、厳選された日本の旅行会社によって運営され旅行者の「行動管理」が行われるとポインツガイは説明。「計画通りにプログラムが進めば、アメリカからの十数人の小グループが、北朝鮮のツアーガイドもうらやむような演出と制約のある観光ツアーに参加できることになる」と皮肉を述べる。また、「日本の整然とした官僚的で外国人を嫌う政府の計画過程を考えれば、すぐに開国されるとは思わないほうがよい。ツアーが滞りなく行われて開国されたとしても、今後数ヶ月は期待するような観光体験はできないだろう」と辛口批評だ。
◆首相、選挙を意識か? 本格再開はまだ遠い
シンガポールのストレーツ・タイムズ紙は、最近の日本の世論調査から水際対策を緩和し外国人を歓迎する気持ちも国民の間に出てきたと述べる。しかし大々的なインバウンド再開ではなく慎重に進めている理由は、岸田首相が7月10日に予定される参議院選挙に向け国民感情を見定めようとしているためだと指摘。インバウンドの本格的再開は、選挙後の夏からという見方があるとしている。
ポインツガイは、本格的な再開は秋以降という海外の旅行会社の見方を紹介している。もっとも、過去2年間にキャンセルされた旅行を振り替える人で多くの枠は埋まり、冬休みから正月にかけても国内客で満員となることから、訪日観光の「新常態」への移行は2023年春ごろからの可能性が最も高いとしている。さらに日本人のなかには、感染を心配し外国人との交わりを避ける人もまだ多いと指摘。旅行の大きな楽しみである異文化の人々との交流を望むなら、2023年まで日本旅行は待つべきだとしている。
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