未曾有の電力危機に瀕するインド 経済回復に大打撃
欧州や中国などで電力不足が深刻化しているが、実は14億人近い人口を抱え、アジア第3位の経済規模を持つインドでも電力の需給がひっ迫している。原因は火力発電所で使われる石炭の不足だ。新型コロナの第2波からようやく抜け出したインドでは、経済再開で電力需要が増しており、産業や国民生活への影響が心配されている。
◆発電は石炭メイン 各地で在庫激減
インドは発電の70%を石炭火力に頼っている。政府のデータによれば、10月6日時点でインドの135ある石炭火力発電所の80%で、石炭の在庫が8日分以下になっていたという。そのうち半分以上では、2日分以下しかなかった。通常であれば、平均18日分はストックされているはずだという。インドの信用格付け機関CRISILのヘタル・ガンディー氏は、ストックが以前の水準に戻るのは来年3月以降だろうとしている。(CNBC)
インドは石炭の埋蔵量が多く国内生産が盛んだ。国営のコール・インディア社(CIL)が生産量の80%を占めている。BBCによればこの10年間で石炭の消費量はほぼ2倍になっている。今後十数ヶ所の新規の炭鉱開発を計画しているが、実は国産だけでは需要を賄えず、輸入も世界第3位の規模となっている。
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