コーヒー豆の供給懸念強まる 都市封鎖でベトナム産の輸出停滞

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 ベトナムではデルタ株の感染拡大で、厳しいロックダウンが行われている。同国は世界有数のコーヒー輸出国だが、移動規制で輸出が滞っており、これが世界のコーヒー供給に影響しそうだと報じられている。パンデミックで世界のサプライチェーンは多大な被害を受けているが、コーヒーもその波を受けた形だ。

◆歴史あるコーヒー文化 輸出大国として成長
 ベトナムで多く栽培されているのは、主要なコーヒー種の一つであるロブスタ種だ。ロブスタ種は苦みの強い品種で、19世紀のフランス植民地時代に持ち込まれた。国内には深入りされた豆の強い風味に合わせて甘いコンデンスミルクを加えた、ベトナムコーヒーの独特の歴史がある。

 現在ベトナムは世界第2位のコーヒー輸出国に成長し、2019年にはEUのコーヒー輸入の22%をベトナム産が占めていた。ロブスタ種は病害虫から身を守るためカフェインを多く生成するだけでなく、農家にとっては面積当たりの収穫量が多く、低コストでの生産に適している。そのためインスタント・コーヒーや、エナジードリンクなどのカフェインを含む製品のメーカーが使用する豆として定着した。近年は、高品質なスペシャルティコーヒー向けにも進出しようとしている(コーヒー専門サイト『Sprudge』)。

Text by 山川 真智子