域内移動が容易に EUが合意したワクチン証明書とは? 7月1日から

turkfotograf / Shutterstock.com

◆証明書を得るには?
 証明書を得る方法は次の3つ。新型コロナウイルスワクチンの接種を受けている、PCR検査あるいは抗原検査で陰性、Covid-19感染経験者で免疫がある。

 検査は入国24〜72時間前に受けなければならず、時間は各国がそれぞれ定める。また、感染済みの証明にはPCR陽性検査結果が必要だ。有効期限は最大で180日とし、その範囲で各国が決定できる。

 証明アプリは無料。感染テストについても当初は一律無料にしたいと考えだったが、経済的に難しい国もあるため、テストに関しては「手ごろな価格で」と定められた(ル・モンド紙、5/20)。

 証明に有効なワクチンは、まず、EUが承認したファイザー/ビオンテック、モデルナ、アストラゼネカ、ジョンソン・エンド・ジョンソンの4種類。それに加え、各国は、EUの一部の国が認めたワクチン(ハンガリーで用いられているスプートニクVなど)や、世界保健機関(WHO)が認めたワクチン(中国のシノファームなど)を含める自由を持つ。

 証明はQRコードの形を取り、デジタルあるいは紙版の両方が有効だ。自国で使用している接触通知アプリと組み合わせるかどうかは、各国の判断に委ねられる。

◆証明があれば何ができる?
 EUデジタル新型コロナ証明書を持っている市民は、基本的に「隔離」を免れることとなる。しかし、万が一新たな変異株が見出された際などは、各国は入国制限の強化を行うことができる。その場合、制限強化の48時間前までに、欧州委員会とそのほかの国に新たな制限内容とその施行予定期間を知らせなくてはならない。

 また、国によっては、コンサートやフェスティバルなどへの参加に証明書を用いる可能性もある。

Text by 冠ゆき