域内移動が容易に EUが合意したワクチン証明書とは? 7月1日から
欧州議会は20日、ワクチン接種者などが加盟国間を円滑に移動できるようにする「EUデジタル新型コロナウイルス証明書」について、暫定合意に達したと発表した。3月17日の提案より2ヶ月という短い期間での合意には、夏までに何とか実用化したいというEU諸国の強い意志が感じられる。正式運用の開始は7月1日を予定している。その内容とは。
◆一番の目的は人の自由な往来
「ワクチンパスポート」「グリーンパスポート」「衛生パスポート」などの仮称で呼ばれてきたこのプロジェクトの最大の
目的は、ヨーロッパ市民のヨーロッパ内での自由な往来の権利の復活だ。とくにギリシャなど観光業が重要な位置を占める国にとって、夏のバカンスシーズン前の施行は大きな意味を持つ。
5月20日の合意と、5月24、25日のブリュッセルでの首脳会議を経て、次なる段階は6月7〜10日のストラスブールでの欧州議会での承認だ。いまのところ有効期間は7月1日から1年間とされている。