チキンサンド人気が原因? アメリカで鶏肉不足深刻

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 アメリカ人が最も好む肉は鶏肉とされているが、このところ供給が需要に追い付かず、価格が高騰している。レストランやファストフード店では、人気のチキン料理をメニューから外す店も出始めた。外食産業各社は鶏肉確保に奔走し、鶏肉加工業者側には増産のプレッシャーがかかっている。

◆山積みから品薄へ 1年で価格2倍
 今年初頭、アメリカではパンデミックによる閉店や店内飲食の制限などで、冷凍倉庫には鶏肉の在庫が山積みになっていた。鶏肉業界の主力商品である、骨なし皮なしの鶏胸肉の昨年の平均価格は、1ポンド(約454グラム)1ドル(約109円)程度だったが、現在は2倍になっている。スーパーの小売価格も上昇している。(ウォール・ストリート・ジャーナル紙、以下WSJ)

 Web誌『Vox』によれば、全米チキン協会が鶏肉不足に関するメッセージを発表している。根本的な原因として、この冬の寒波の影響で、生産地で十分な数のひな鳥が育たなかったことがあるとされている。

Text by 山川 真智子