スキー場の営業めぐり割れる欧州 国同士、国内で軋轢

Jean-Christophe Bott / Keystone via AP

◆リフト休業決定に大きな波紋、フランス
 フランスでは、「カステックス首相が11月26日、スキー場は開くが、リフトやゴンドラ類は休業と発表した」(同)。つまり、「クロスカントリースキーやスキー登山、スノーシューはOKだが、アルペンスキーやスノーボードはNG」(同)ということだ。しかも、スイスではすでにスキー場が開かれているため、国境を接する場所では、同じ山の向こうの斜面は営業しているがこちらの斜面は休業というケースも出ている。

 当然ながら、フランスのスキー場関連業者やスキー場のある自治体の市長らからは、激しい反発の声が上がった。たとえば、オーヴェルニュ・ローヌ・アルプ地方の議員や市長らは11月28日付ル・ジュルナル・デュ・ディマンシュ紙に論説を発表し、スキー場に関する決定を見直すよう要求。また、観光サービス業ピエール&バカンスの創始者や、リゾート業コンパニー・デ・ザルプの社長らは、ル・モンド紙(12/2)上で「スキー場営業の可否を決めるのは、感染状況の進展に応じ少なくとも12月11日まで(中略)待つように」と要求する文書を公開した。

 これらの反発をなだめようと、仏政府は補償の強化のほか、12月2日には国境の取り締まりを行い隣国にスキーに行った者には7日間の自己隔離を命じると発表したが(フランス3、12/2)、関係者を納得させるには至っていない。というのも、12月2日にはフランス南東部で、12月3、4日には南西部のピレネー山脈に近いスキー場でそれぞれ抗議デモが決行されたからだ。

 さらに、国務院に提出された不服の申し立てには、15の県が名を連ねる事態となり(20 minutes、12/3)、「フランススキー連盟に加盟しているスポーツ協会に認可された未成年者」と「彼らの活動に関わる専門家」のスキーリフト・ゴンドラの使用を許可する政令が5日、追加発表されるに至った。スキー関係者はこの政令を歓迎しながらも、さらなる規則の緩和を望んでおり、12月11日の首相との会談に期待と不安を抱いている(フランスアンフォ、12/5)。

Text by 冠ゆき