中国の経済成長が加速、新型コロナによる失速から回復

AP Photo / Andy Wong

 消費者がショッピングモールや自動車販売店に戻りつつある中国では、新型コロナウイルス感染拡大からの、不安定ながらも回復傾向が強まっている。一方、アメリカとヨーロッパでは、深刻な景気後退が続いている。

 10月19日に発表された公式統計によると、世界第2位の経済大国である中国の7-9月期の国内総生産(GDP)成長率は前年同期比4.9%増と、4~6月期の3.2%増を上回った。消費支出がウイルス感染拡大前を上回る水準に初めて回復したほか、マスクそのほかの医療用品の輸出需要が高まったことで工業生産も増加した。

 アメリカ、ヨーロッパ、日本の景気が後退しているなか、中国は今年のプラス成長が見込まれる唯一の経済大国である。

 キャピタル・エコノミクスのジュリアン・エバンス・プリチャード氏はレポートのなかで、景気回復が「広がりをみせており、以前ほど政府の経済対策を頼みとしていない」と述べている。10~12月にかけて経済の成長が「続いている」という。

 中国の経済活動が上向いているというニュースを受け、中国が最大の貿易相手国となっている近隣諸国・地域の株式市場の株価は値上がりした。日経平均株価指数は1.1%、香港ハンセン株価指数は0.9%上昇したほか、韓国とオーストラリアの株価も値上がりした。

 堅調な経済指標の発表を受け、株価上昇につながる追加経済対策の可能性が遠のくという見方が広がったため、中国でベンチマークとされている上海総合指数は0.7%下落した。

 昨年12月にウイルス大流行が始まった中国では、支配政党である共産党が3月にウイルスを抑え込んだと宣言して、工場や小売店、オフィスを再開した後、経済成長を再び実現させた最初の経済大国となった。
 
 景気回復前、今年1~3月の経済成長率はマイナス6.8%で、これは1960年代半ば以降では最も低い実績だった。
 
 国家統計局は報告のなかで、経済は「堅調な回復が継続している」と発表したが、「国際環境は依然として複雑かつ深刻」と警告している。同報告によると、ウイルス感染再拡大の防止に向け、中国は大きな圧力に直面している。

 当局は旅行やビジネスの制限を撤廃したものの、政府庁舎や公共の建物を訪れる人に対してはいまなおウイルス性の発熱がないか検査を行っている。外国からの旅行者には2週間の隔離を要請している。

 青島東部の港で12人の感染者が出たことを受け、1000万人を対象とするウイルス検査が行われた。これにより、2ヶ月にわたる国内でのウイルス感染ゼロの記録が途絶えた。

 7~9月の工業生産は前年同期比5.8%増と、上半期のマイナス1.3%から大きく改善した。中国の輸出企業は、いまなおウイルス対策措置の影響を受けている外国の競合から市場シェアを獲得している。

 小売売上高は前年同期比0.9%増と上半期のマイナス7.2%から大幅な改善となった。当時、消費者は景気減速とアメリカとの関税戦争に対する懸念から買い控えをしていた。ネット通販の売上は15.3%増加した。

 需要の加速を裏付けるように、9月の小売売上高は3.3%増となった。  

 AxiCorpのステファン・インネス氏は報告書のなかで、「中国における個人消費の回復は勢いを増している」と述べている。

 中国の新型コロナウイルスによる死者は4739人、感染者数は9万1299人と報告されている。

 エコノミストらによると、中国の政権は、過去に例がないほど徹底したウイルス対策措置を講じる決定を下せるため、ほかの主要国と比較して経済の急回復を実現できる可能性が高いという。一時的に、のべ6000万人に対し都市への主要アクセス手段を遮断したほどだ。

 国際通貨基金(IMF)では、今年の中国の経済成長率を1.8%と予想している。これに対しアメリカ4.3%、フランス9.8%、ドイツ6%、日本5.3%のマイナス成長が予想されている。

 中国都市部の労働人口の30%、最大1億3000万人が少なくとも一時的に失業した可能性があり、うち2500万人は年内に就職ができない可能性があると民間セクターのアナリストは指摘している。

 共産党は5月、900万人の新規雇用創出を含む目標の達成に向け2800億ドル(約29兆円)を支出すると公約した。だが、すでに高水準にある国内債務の増加に対する懸念があるとして、1兆ドル以上の経済対策を打ち出しているアメリカや日本に追随することは避けている。

By JOE McDONALD AP Business Writer
Translated by Conyac

Text by AP

Recommends