アメリカで家電不足が問題に 予想外の需要増 修理も困難

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◆消費減の読みが外れ 修理も部品待ち
 数ヶ月前には、コロナウイルス感染拡大によって消費者が買い物を控える、と考えるのは企業にとって当然だった。多くのビジネスが閉鎖され、労働者が解雇され、歴史的不況が始まった。そのため工場が製造計画を縮小し、小売店が発注を控えたのは理解できるとNPRは述べる。

 しかし、コロナの影響はアメリカだけでなく中国、メキシコといった電化製品やそのパーツを作り出荷する国々にも及んでおり、工場閉鎖、ソーシャルディスタス確保のための工場内の人員削減、生産の減速につながってしまった。ここに予想外の需要が重なったのは意外な展開だった。コロナで世界のサプライチェーンが遮断されたことで、需要の急増にもかかわらず、デリバリーの大幅な遅れの原因となっている。

 新品が手に入らないならば修理をするという手もあるが、修理部品自体が入荷待ちで業者の予約にも1ヶ月を要するという。バージニア州の量販店では、保証期間の無償修理だけでも100件が順番待ちとなっているということだ。そもそも部品は製造ラインのほうに先に回されてしまうため、入手が困難だという(ボルチモア・サン紙)。

◆品不足は当分続く 値引きも期待薄
 PPGによればピッツバーグ近郊の家電販売店では、少しずつ冷凍庫などの大型家電の入荷が戻りつつあるという。しかし、別の家電販売店のオーナーは、品薄は2021年の中旬から下旬までは続くとみている。

 今年は、レイバーデーなどのセールでも、家電のディスカウントはあまりなかったということだ。おそらくクリスマスシーズンを控えたブラックフライデーの商戦でも同じ傾向になるだろうということで、販売店では、家電を買う場合はブランドや機能に柔軟になり、そこそこ使えるものなら即決という覚悟もしておいたほうがいいと述べている(NPR)。

Text by 山川 真智子