農家にも打撃、新型コロナ 変わる需要、収穫にも不安

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 新型コロナウイルスの感染拡大で、世界各地のスーパーなどでは食料を買いこもうとする人々が殺到し、品不足が続いている。生産者はさぞかし儲かっていると思いきや、実は多くの農家が値崩れや人手不足を心配し、この先の収穫や生産に不安を感じている。

◆コロナで需要に変化 農産品の価格低迷
 ウォール・ストリート・ジャーナル紙(WSJ)によれば、アメリカでは新型コロナウイルスの影響で、2月24日以来農産物の先物は下落が続いている。投資信託による売りや、レストランでの需要が減少するという恐れから、肉牛の価格はこの数週間低迷している。学校閉鎖や自宅隔離などの影響で学校給食用の牛乳の需要や、ハンバーガーやピザのチェーン店でのチーズの需要が減ると見られ、乳製品の価格も下落すると予想されている。

 ガーディアン紙によれば、イギリスでは新型コロナウイルス危機でスーパーの野菜は売れ行き好調だが、外食産業の需要は激減しているという。これにより、農家は新たな出荷ルートを探し、需要の変化に対応しなければならなくなった。春は通常最も収入が減る時期で、多くの農家が頭を痛めているという。

Text by 山川 真智子