TPPで変わる輸入牛肉の勢力図 ライバルの躍進に焦るアメリカ

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 アメリカのTPP離脱後、昨年発効した「環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定(CPTPP)」の参加国からの肉の輸入が急増している。とくに牛肉の輸入は、米産牛肉を脅かす勢いだ。CPTPPメンバーは通常より10%以上低い関税を享受しており、危機感を持つ米食肉業界は、日本との自由貿易協定締結を強く望んでいる。

◆ドル箱日本市場に食い込め CPTPP勢絶好調
 米産牛肉にとって日本は金額ベースで最大の市場だ。これまでアメリカのライバルはすでに日本と経済連携協定(EPA)を結び、低い関税の恩恵を受けていたオーストラリアだったが、CPTPP発効によって、カナダ、ニュージーランド、メキシコといった、世界の主要な牛肉輸出国が新たなライバルとして加わった。

                                                                                                                 

 日本が輸入牛肉に課す関税は38.5%だが、CPTTP参加国には昨年12月から27.5%が適用となり、今年4月からはさらに下がって26.6%となっている。今後14年かけて、9%にまで引き下げられる予定だ。

 財務省の発表では、関税引き下げに伴い、1月のCPTTP参加国からの牛肉の輸入は前年比で6割も増加している。米政治誌ポリティコは、とくにカナダからの輸入が前年比で3倍にもなっていることについて、トランプ政権によるTPP脱退をカナダが大いに利用した形だと皮肉っている

Text by 山川 真智子