日本の造船会社が建造した船舶も 世界のコンテナ船大きさランキング

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海運の効率化によって競争力を高めるべく、事業各社はコンテナ船の超大型化を推進している。日本の造船業者による船も上位に食い込んでいるようだ。一方、大型船の受け入れ環境については国内の海港は遅れを取っている。

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◆超大型コンテナ船の急増
海洋情報誌のマリン・インサイトは、コンテナ船の積載容量ランキングトップ10を発表している。コンテナ2万個以上を搭載可能なメガコンテナ船が続々と登場している。

1位:OOCL香港
香港の東方海外貨櫃航運公司(OOCL)が所有する本船「香港」は、世界最大の積載能力2万1413TEUを誇る。TEUは20フィートコンテナ換算のおおよその積載個数を示す。サムスン重工業が韓国・コジェの造船所で建造した。ほかに、ジャパン、ジャーマニーなど国名を冠した同規模の複数の姉妹船がある。OOCLは、中国が推進する一帯一路構想と香港・ASEAN自由貿易協定がこのような規模の船舶の建造を後押しした、と建造の経緯を説明している。

2位:COSCOシッピング・ユニバース
2位のユニバースは積載能力2万1237TEU。中国遠洋運輸集団(COSCO)が所有し、中国本土では最大のコンテナ船となる。全長は400mで、1位のHong Kongを13cm上回る。エンジンに供給する空気の密度を上げるターボチャージャーの搭載により、最大速度22ノット(約40.7km毎時)を実現した。姉妹船のネブラが同規模で並ぶ。

3位:CMA CGMアントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ
フランスのCMA CGMが管理するアントワーヌ・ド・サン=テグジュペリは積載容量2万954TEUで、フランス船籍としては最大を誇る。韓進重工業がフィリピンの造船所で建造した。新世代のエンジンに加えてスクリューにはベッカー社のツイステッド・フィンを採用しており、燃料使用量を25%低減したエコフレンドリーな仕様になっている。同規模の姉妹船2隻がある。

4位:マドリード・マースク
2万568TEUという積載能力は、過去に世界第2位に位置していた。韓国の大宇造船海洋が製造した。当初は1万9630AEUであったが、のちの設計変更により2万TEU越えを実現している。デンマークのマークスラインが所有し、同じくデンマークのA.P. モラー・マースクが運航を管理している。マドリードだけでなくミュンヘンやモスクワなど、イニシャルMの都市名を冠した姉妹船が多数存在する。

5位:エバー・ゴールデン
2018年に日本の今治造船が建造し、台湾の海運業者であるエバーグリーン社に引き渡された。現在はエバーグリーン社が運航し、パナマの港を母港としている。姉妹船は、ゴッド、ジーニアス、ギブン、ギフテッドなどで、いずれもGで始まるのが特徴だ。

以下、6位・7位には、商船三井が建造し日本のオーシャン・ネットワーク・エクスプレス・グループが運航するMOLトゥルースとMOL リンプ、8位には香港船籍のCOSCOシッピング・タウルス、9位には2015年当時世界最大のコンテナ船であったMVバーザン、10位には西アフリカのリベリアに所属するMSCダイアナがそれぞれランクインしている。

こうした大型船の多くは、造船の盛んな韓国の企業によって建造されている。英国のクラークソン・リサーチの調査によると、世界最大のコンテナ船上位20隻のうち15隻が、サムスン重工業と大宇造船海洋の韓国勢によって製造されている(中央日報2018年11月9日付)。

Text by 青葉やまと